夢見てきた埼スタでの“初ゴール” 浦和DF荻原拓也が感慨「1つの目標であり、夢でもありました」

浦和の荻原拓也【写真:Getty Images】
浦和の荻原拓也【写真:Getty Images】

20日の柏戦で浦和DF荻原がホームの埼玉スタジアムにおけるキャリア初ゴール

 浦和レッズは10月20日のJ1リーグ第30節、柏レイソル戦に2-0で勝利した。チームの2点目を決めたDF荻原拓也は、これがホームの埼玉スタジアムにおけるキャリア初ゴール。試合後には「1つの目標であり、夢でもありましたね」と感慨深げに話した。

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 浦和が1-0でリードした後半12分、MF小泉佳穂からのパスを受けるとペナルティーエリア内、45度よりも狭い角度だったが左足を強振。ややアウトにかかったインステップの強烈なシュートが逆サイドのサイドネットに突き刺さった。荻原は「パスをもらった瞬間に一択になりました。パスが『シュート打て!』というパスだったので、シュートしか考えていなかった」と振り返った。パスを出した小泉も「100本に1本のパス」と話す最高のボールを生かし切った。

 荻原は浦和のジュニアユース、ユースを経てトップ昇格した。「レッズのエンブレムを付けたときからプロを目指したし、埼スタでゴールを決めたいというのは夢だった」というサッカー少年は高校3年時に急激に伸びてトップ昇格を勝ち取ると、2018年のプロデビュー年にはプレシーズンのキャンプでゴールを量産して猛アピール。当時の堀孝史監督に3月7日のルヴァンカップ(杯)、名古屋グランパス戦で先発起用されるとアウェーゲームだったがいきなりの2ゴールをマークした。本人も「あのときは試合にも絡んでいましたし『いつか決められるでしょ』みたいに軽く思っていた」と、ホームゲームでのゴールを予感していたが、そこからは簡単ではなかった。

 浦和はこの時期に迷走状態にあり、監督交代も繰り返された。翌年には当時の日本代表DF山中亮輔が加入するなどポジション争いも激化し出場機会も得られなかった。20年夏にアルビレックス新潟、21年から2シーズンを京都サンガF.C.に期限付き移籍し、今季に復帰した。強い思いを持つ一方で、「これまで期限付き移籍して戻って成功した選手はあまりいない」と、現実を見ながら危機感を募らせた。

 荻原はその難しさを「特にほかのチームで確立したなかでまたレッズに戻ってくるのは、レッズは特別なクラブ、ビッグクラブだし、その意味でも適応する部分や試合に出るという根本的な部分も難しいとは自分自身でも感じていた」のだと話す。実際に開幕当初は試合のメンバーから外れていたが「そういうプロキャリアを歩みたくないと強く思っていた」のだという。

 そこから徐々にマチェイ・スコルジャ監督の信頼もつかみ、この時期にはサイドバックに負傷者が増えたこともあり自然とファーストチョイスになってきた。ルヴァン杯の準決勝、横浜F・マリノス戦では初戦にPK献上のハンドがあったが、プレー内容には手応えを得た。そして、第2戦では2つのPK獲得に絡んだ。逆転での決勝進出を決めた後の場内インタビューで涙ぐむほどだったが、「気持ちの部分とプレーの質が、最近は合ってきているという実感がある」と自信を得ている。

 そしてこの日、夢見てきた埼スタでのゴールを決めた。「これから先を過ごしてみないと分からないけど、あのときがターニングポイントだったと思えるような試合だったかもしれない」と、今後の飛躍に予感めいたものもあると話す。強気な攻撃姿勢が魅力の左サイドバックは、シーズンの終盤に充実の時期を過ごしている。

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