パク・ドンウォン論説委員がオピニオンコラムで指摘

　中国・杭州で開催されたアジア競技大会の男子サッカーは、10月7日の決勝戦でU-24韓国代表がU-22日本代表を2-1で下して3連覇を飾った。今大会、計7試合で27ゴールと高い攻撃力を示した韓国だが、母国メディアのオピニオンコラムでは、「勝利が復讐の道具になれば、一生“克日”できない」と、日本への異常な対抗心に警鐘を鳴らしている。

　ファン・ソンホン監督が率いたU-24韓国代表は、グループリーグ初戦でクウェート代表に9-0で快勝。続く第2戦タイ代表戦に4-0、MFイ・ガンインが合流した9月24日の第3戦バーレーン戦も3-0で勝利し、E組の首位通過を決めた。

　決勝トーナメントでは1回戦でキルギス相手に5-1、続く準々決勝で中国を2-0で下す。準決勝のウズベキスタン戦は、相手に苦しみながらも2-1で勝利。日本との“日韓戦”が決勝の舞台で実現することになった。

　迎えた決勝戦。前半2分に日本に先制されるも、試合のペースを握った韓国が前半27分、エンド変わった後半11分に得点し逆転に成功。2-1で勝利し、同大会で史上初の3連覇を飾った。

　韓国の敏腕記者チェ・ボシク氏が代表を務めるスポーツメディアで、パク・ドンウォン論説委員がオピニオンコラムを展開。「オーバーエイジ枠を使った“正常”な韓国が、22歳以下の大学生中心メンバーを送り出した“正常ではない”日本に勝った。大学生中心の相手に勝ったからといって、韓国の勝利を貶める理由はない。それは日本の選択だったからだ」と切り出しつつ、韓国における日韓戦への強烈な意識についてフォーカスしている。

「韓日戦となれば、例の『じゃんけんも負けられない』という言葉が飛び交う。弘大前で街頭応援まであったという。アジア大会を中継する『KBS』『MBC』『SBS』『テレビ朝鮮』の国内4局は、同じく韓日戦を放送した。その時間に行われるほかの試合を見たがる視聴者は全く眼中にもない。いつまでこのような行動をするのか分からない。日本戦はただのライバル意識ではなく、“復讐”に似た感じがある。（電機メーカーの）サムスンがソニーを追い越すと、『ついに日本を破った』と歓喜の声が上がった。日本の植民地支配から80年近くが経ったが、我々は依然として日本に対する心の解放ができていない。先代に起こったことに後代がさらに感情を逆立てる」

　パク・ドンウォン論説委員は、「日本に対する感情を整理しないといけない。嫌悪、怒りのような感情を払い落とし、平常心を持つことだ。本当に勝つことは自分自身に勝つことだ」と主張。「もちろん容易ではない」と断りつつ、「経済もリードしなければならず、スポーツなどで勝つ過程を通じて自尊心と自信を回復しなければならない。心の病気は自ら克服して治癒するしかない。勝利が克服の薬ではなく、復讐の道具になれば、一生“克日”できない」と警鐘を鳴らしていた。