浦和が手痛いドローを喫した要因は? 選手、監督が指摘した“メンタル疲れ”「もっと早く判断を…」

浦和は横浜FCと1-1のドロー【写真:徳原隆元】
浦和は横浜FCと1-1のドロー【写真:徳原隆元】

横浜FC戦は1-1のドロー

 浦和レッズは9月29日のJ1リーグ第29節・横浜FC戦を1-1で引き分けた。同日に勝利した首位のヴィッセル神戸とは勝ち点8差となり痛い結果となったが、マチェイ・スコルジャ監督や選手たちは前半の低調ぶりを要因に挙げる。一方で、その原因についてはメンタル的な疲れを指摘する声もあった。

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 キックオフ直後からコンディションの差が目立ち、横浜FCが速いプレスで浦和を苦しめた。そうした中で前半15分はFWマルセロ・ヒアンが右サイドから中央にカットインすると、DFアレクサンダー・ショルツのタックルで浮いたボールに反応したヒアンはそのまま左足ボレーで強振。これがネットに突き刺さり、横浜FCが先制した。この時、DFマリウス・ホイブラーテンやMF岩尾憲とMF伊藤敦樹といった周囲の反応も遅れ気味で、ヒアンに気持ちよく足を振らせてしまった。

 ショルツは試合後に「全体のスタートが悪かった。それが前半ずっと続いたが、ゴールされた時は守備がひどかった。避けなければいけないシチュエーション。試合全体でも勢いに乗れなかった。相手がカウンターアタックでダメージを与えてきた。それを仕掛けてくるのは試合前から分かっていたけど、スタートの入りが悪くて試合の流れを変えることができなかった」と話した。

 スコルジャ監督は試合後の記者会見で「映像を見てしっかり分析したいと思っているが、今持っている印象でコメントをするならば、まずは攻撃のときの動きがあまり良くなかった、十分ではなかった。相手の5バックの選手を引き出してギャップをつくるところまではいったが、そのギャップを使うことがあまりなかった」と、攻撃の機能性も上がらなかったと話す。

 FWホセ・カンテが出場停止の状況でFWブライアン・リンセンを起用するも前半35分ごろに左足の太もも辺りを気にする仕草を見せてFW興梠慎三と交代。スタメンでは17歳MF早川隼平を中央に置き、左右のサイドハーフはともに中央でのプレーが本来のものであるMF安居海渡とMF小泉佳穂だったが、ハーフタイムに早川と小泉を交代させるなど采配が噛み合わなかった面も垣間見えた。

 前半は全体に横浜FCの動きがシャープに見え、相対的に浦和の動きが緩慢に見えた。GK西川周作はハーフタイムについて「前半は全く良くなかった。そこは全員で言い合って、もう1個スイッチ入れないと勝てない、引き分けでは意味がない、自分たちは勝ちにいくんだという姿勢を見せよう」というロッカールームの空気があったと話す。後半は押し込む時間が長くなり、興梠のPK獲得からショルツが同点ゴールを決めたが、ゴール前での”これ”と言ったチャンスは後半アディショナルタイムに安居がこぼれ球に反応して放ったシュートくらい。ファン・サポーターの声援もあり空気感は浦和の攻勢を印象付けたが、具体的なプレーでゴールに迫ったかというと疑問が大きかった。

 2か月で公式戦13試合を戦う中でホイブラーテンは「体力的にはそこまで問題はないと思う。毎回、血糖値などデータを取っているので。どちらかというと試合の中でのディテールの部分だと思う。もっと早く判断を下してプレーをすべき。どちらかというとメンタルの部分で、そこが今日は我々にとっては悪いゲームの理由だと思う。残念だ。(頭の疲れは)感じる部分だが、もちろん毎シーズン、チャレンジしないといけない。それを言い訳には使えない。今日は我々の責任で、毎回頭をフレッシュにもっていかないといけない。もちろんメンタル的に疲れが出ることは受け入れないといけないけど、そういう時こそディテールに注意しながらプレーをしなければ」と話した。

 精神面と肉体的な部分の両輪を回す中で、頭が疲れてしまうことで判断の遅れやプレー精度の低下につながってしまうこともある。浦和にとって痛い引き分けだったが、そもそも試合が立て込んでいるうえに前節G大阪戦で10人になった後に2点を奪って勝利するドラマティックなゲームを終えての中4日は、思った以上に反動の厳しいものだったと言えるのかもしれない。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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