データが実証する「本田外し」の妥当性 日本代表のパスワークへの関与は全盛期の“20%”に低下

日本らしさが発揮されたオマーン戦で、影響力を失った“日本のシンボル”

 FW本田圭佑(ACミラン)とMF香川真司(ドルトムント)の“二大エース”をスタメンから外すのか――。ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の大一番、サウジアラビア戦に臨む日本代表において、このテーマは大きな関心事となっている。2010年南アフリカW杯以降のチームで長く絶対的な存在となっていた二人だが、今季はともに所属クラブで出場機会を減らし、試合勘の欠如からパフォーマンスが低下。日本代表のスタメンから外すべきとの声は、日増しに高まっている。

 そうしたなかで11月11日にカシマスタジアムで行われた国際親善試合オマーン戦は、サウジ戦に向けてFW大迫勇也(ケルン)やFW齋藤学(横浜F・マリノス)ら新戦力を試す一方、バヒド・ハリルホジッチ監督が既存の主力メンバーがチームで機能するかを見極めるための「追試」のようなゲームとなった。右足首を痛めていた香川は出番なしに終わったが、本田は右サイドハーフで先発出場。果たして日本代表の顔でもある背番号4は、エースにふさわしい輝きを見せたのか。データから客観的に評価してみたい。

 まずは日本が4-0と快勝した試合の、両チームのパスやシュートに関するスタッツを見てみよう。

図1

 これまで、アジアのチームと戦う時に必ず問題になったのは、引いた相手に対してパスは回るけど得点に結びつかないという現象だ。しかし、この日はボールも回り、19本のシュートのうち16本がペナルティーエリア内で打たれ、そのうちの8本が枠内に飛んでいた。パスが相手にとって嫌な場所に運ばれ、シュートにつながり、得点を重ねることができたという面では、最近の日本代表戦のなかでは見ている側としても、実際にプレーしている選手にとってもストレスの少ない試合だったはずだ。

 ある意味、日本らしさが発揮できた試合と言っても良い内容だったが、そうしたポジティブな印象を残した試合での、本田のパフォーマンスを見てみよう。

 

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