歴代日本人ストライカー「スピード部門」 代表OBが「他の追随を許さない」と称した2大巨頭とは?
【専門家の目|栗原勇蔵】永井謙佑と前田大然が他を圧倒する「1位タイ」
日本サッカー界にはこれまで、さまざまなタイプのストライカーがその名を轟かせてきた。相手との巧みな駆け引きから得点嗅覚を発揮した者や力強いポストプレーを武器にゴールへ迫ったハンターなど、特徴は多岐にわたる。「FOOTBALL ZONE」では今回、日本人ゴールハンターの系譜を振り返るべく特集を展開。横浜F・マリノス一筋で18年間プレーした元日本代表DF栗原勇蔵氏に、対戦した選手をベースに日本人ストライカーのランキングを作成してもらったなかで、番外編として「スピード部門」のナンバーワンを訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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1位タイ:永井謙佑
■現所属:名古屋
■年齢:34歳(現役)
■身長・体重:177センチ・72キロ
■今季J1成績:15試合3得点
■J1通算成績:371試合70得点
「50メートルは6秒を切ると言われましたけど、スピードは永井一択かなと思うくらい、ずば抜けています。彼がルーキーで入ってきた2011年の開幕戦、初めての対戦でスピードでぶっちぎられて最後の最後にPKを与えてしまい、同点に追い付かれてしまいました。試合後に、対戦相手の(田中マルクス)闘莉王さんと楢﨑(正剛)さんに『アイツの速さはなんなんですか?』って言ったら、『あれは仕方ない』『アイツは速すぎだ』と慰められました(笑)」
1位タイ:前田大然
■現所属:セルティック(スコットランド)
■年齢:25歳(現役)
■身長・体重:173センチ・67キロ
■今季成績:35試合8得点(スコットランド1部)
■J1通算成績:77試合28得点
「F・マリノスの若手選手が永井よりも速いかもしれないと話をしてきたので、『そんなバカな』と思っていました。でも、大然が2020年にF・マリノスに加入して、大袈裟ではなく、永井とほぼ同じスピードだったので驚きました。今まで体感した選手で誰が速かったかという話になると、大然か永井かの論争になるくらいですし、大然ほど速い選手もそうそういません」
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「F・マリノスにはテル(仲川輝人/現FC東京)もいましたけど、速さの質が違っていて、テルは初速が早くてトリッキータイプ。永井と前田のほうが馬力もある。日本人選手にはもちろんほかにも『速い』と感じた選手はいました。でも、永井と前田が双璧で、他の追随を許さないレベルだと個人的には思います」
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。