浦和DF荻原拓也がレンタル3年間で得た経験 「どれだけ完全移籍に近いメンタリティーでやれるか」に込めた思いとは?

今日とサポーターに挨拶をした荻原拓也【写真:Getty Images】
今日とサポーターに挨拶をした荻原拓也【写真:Getty Images】

新潟、京都での3シーズンを経て今季から浦和に復帰

 浦和レッズのDF荻原拓也は、今季に期限付き移籍から復帰して公式戦への出場を重ねている。その経験を自分の力に変えるための秘訣を、「どれだけ完全移籍に近いメンタリティーでやれるか」と話した。

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 荻原は2018年シーズンに浦和ユースからトップ昇格した。同期の昇格には東京五輪の代表にも入ったDF橋岡大樹(現シント=トロイデン)がいたことで話題はそちらに集中したが、彼もまた左足の鋭いキックをプレシーズンからアピールして、デビュー戦になったルヴァンカップの名古屋グランパス戦ではいきなり1試合2ゴールを記録するなど、将来性を期待させるプレーを見せていた。しかし、翌年に浦和が当時の日本代表DF山中亮輔(現セレッソ大阪)を獲得したこともあり出場機会が減少。2020年夏にアルビレックス新潟(当時J2)に期限付き移籍した。

 そして、21年から2シーズンは京都サンガF.C.に期限付き移籍し、J2とJ1で1シーズン経験を積んで今季に浦和へと復帰した。マチェイ・スコルジャ監督が率いるチームでは左サイドバックのポジション争いに加わり、途中出場も多いなかでここまで公式戦20試合中の17試合に出場している。5月27日は古巣との京都戦(2-0)でスタメン出場し、「試合のことを言うと、早い時間にイエローカードをもらってしまってかなり難しく、交代も早くて不完全燃焼だった」と話したが、試合後には京都のサポーターから多くの拍手を受けていた。

 サッカー界では一般的に、期待の若手を期限付き移籍に出して成長を促し、将来の戦力として復帰させるという話がある。しかしながら、そのような理想的な例は多くない。そのまま契約満了を迎えるか、期限付き移籍先のチームへの完全移籍に移行することが多いのが現実だ。しかし、荻原はその成功例になりそうなものを今季見せている。自身の手応えや経験から、そうした期限付き移籍中の選手が成長、活躍するための秘訣は、メンタリティーにあると話している。

「もちろんプレーの面はあると思うんですけど、人としての成長は、上手くいって浦和でやっていたとしても、ほかのチームを経由しての(プロ)6年目とは全然違うと思う。いろいろなチームを経て、いろいろな経験をして人として成長できた。どのクラブでも、僕はレンタル移籍でしたけど、レンタル先でどれだけチームを好きになって貢献できるか。片足ではなく両足を突っ込んで年間を通して戦えるか。それで2年やって今、浦和でやれている。どのチームでも、そのチームで全力でやるのが大事。レンタル移籍というのは複雑な気持ちで難しいものだと思うんですが、それをどれだけ完全移籍に近いメンタリティーでやれるかが大事だと思う」

「たくさんの方に助けてもらいながらサッカー人生ができて幸せ者」と感謝

 ただでさえ、期限が満了すれば元のクラブに戻る可能性のある選手だから、相手先のクラブで有望株やそのクラブにとっての大切な選手とポジションがかち合えば難しい状況になることもある。荻原の話すように、その時間にどれだけ全力を尽くせるかは最終的に元の所属先から高い評価を受けて帰還するためにも必要なことなのだろう。

 荻原は「プレーの面でもメンタル的な部分でも、ベースはレンタル移籍を通して高くなった。選手としての、強さではないけど土台のようなものが作れた」と話し、2年間所属した京都にも「試合のあとの京都サポーターが迎え入れてくれて、いろいろな縁とつながりがあってたくさんの方に助けてもらいながらサッカー人生ができて幸せ者だと思う。感謝の気持ちをピッチ上で還元して、より大きくなれたらいい」と、思いを話した。

 各クラブとも有効な期限付き移籍の使い方は若手の育成という点で重要なテーマだが、選手自身がその時間をどう捉えて過ごせるかはどんな場合にも大切になると言えそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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