レンジャーズファンから人種差別的罵声と現地記者が指摘

　スコットランド1部セルティックの日本代表FW古橋亨梧は、現地時間2月26日に行われたスコティッシュ・リーグカップ決勝で宿敵レンジャーズのファンから人種差別的な罵声を浴びせられた可能性が伝えられた。レンジャーズの専門メディア「ibroxnews」も、「おぞましい」とファンの行為を糾弾している。

　宿敵レンジャーズとのタイトルを懸けた一戦で古橋は前半44分、スコットランド代表DFグレッグ・テイラーの左クロスを日本代表FW前田大然がうしろへそらしたボールに反応して先制点をもたらすと、後半11分には日本代表MF旗手怜央のクロスを倒れ込みながら押し込んで追加点をマーク。セルティックの大会連覇へ大きく貢献した。

　そのなかで、スコットランド紙「The Herald」のグレーム・マクガリー氏によれば、プレスボックスからほど近いレンジャーズのホスピタリティー席からセルティックの日本人選手に対して「人種差別的な罵声が飛んだ」という。マクガリー氏は「あのチンキーにワイヤーを通せ」といった侮辱的言葉が耳に入ったとし、その攻撃対象は「おそらくボールを持っていたキョウゴのことだろう」と指摘していた。

　レンジャーズの専門メディア「ibroxnews」も「おぞましい」と小見出しを打った項目で、「レンジャーズ、SFA（スコットランドサッカー協会）、SPFL（スコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグ）、ハムデン・パークの経営陣は、この人物を根絶し、スコットランドのサッカーの試合から永久追放する必要がある」と厳しく指摘した。

「自分が好きではないサッカーチームと契約したという理由だけで、公の場で選手に対してそのような言葉を叫ぶことは醜い。誰であろうと、クレイジーだ。残念なことに、レンジャーズのファンがキョウゴに対して人種差別をしたと疑いがかけられたのは今回だけではない。いい加減にしたほうがいい。いつ（人種差別は）終わるんだ？」

　レンジャーズファンによる日本人選手への差別的な攻撃を巡っては、2021年8月にも同様の事件が発生。セルティック加入後の古橋が標的とされ、人種差別的な内容のチャントを口ずさみ、つり目ポーズをしている動画がソーシャルメディア上で拡散し問題視された。今回の一件も波紋を呼ぶことになりそうだ。