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仲川輝人、FC東京の“念願の初優勝”に期待を促す訳 「無限の力がこのチームにはある」
【特集|インタビュー】“勝者のメンタリティー”を新天地の首都クラブに注入
横浜F・マリノスで2度のリーグ制覇を経験した仲川輝人は、今シーズンの補強の目玉としてFC東京に新加入した。開幕を直前に控えたなか、「FOOTBALL ZONE」のFC東京特集では、この優勝請負人に「FC東京の新たな顔になれるのか」をテーマに話を訊いた。そんな“ド直球”に初めは苦笑いしたが、出てきた言葉はむしろその覚悟に満ちあふれていた。(取材・文=馬場康平)
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「念願のリーグ初制覇」。気が遠くなるぐらい毎年、毎年、FC東京の担当記者としてこの文言を使用してきた。それが最も現実味を帯びた2019年は優勝争いを演じたが、最終節で横浜F・マリノスとの直接対決に敗れて2位に終わった。
日産スタジアムで膝をつく選手たちを尻目に、歓喜の輪の中心でシャーレを掲げていた選手がいた。それが仲川だった。その年、リーグMVPと得点王をダブル受賞し、まさにトリコロールを15年ぶり4度目のJ1制覇に導いた立役者となった。
FC東京は、そんな仲川を「今年こそ」と「念願のリーグ初制覇」を成し遂げるための水先案内人として迎え入れた。チーム始動からここまでを見てきたが、マイペースを画に描いたような選手だ。自分のルーティーンワークを崩さず、ピッチに最後まで残っていることも多い。だた、その一方で、自分に求められている役割や期待をしっかりと受け止めているんだな、と分かる瞬間にも立ち会った。その最たる例が、宮崎・都城での2次キャンプであった。
2月2日のツエーゲン金沢戦との練習試合(45分×2本+30分)翌日の囲み取材だった。発する言葉に徐々に熱がこもるのがハッキリと伝わってきた。あの日のことをこう振り返る。
「金沢戦はいい例とも、悪い例とも捉えられると思います。試合の入り方や、選手1人1人のモチベーションが足りなかった。やっぱりサッカーはチームスポーツであって個人スポーツではない。1人が少しでも気の抜けたプレーをしてしまうとチーム全体に伝染してしまう。そういったことがあの試合で見られました」
金沢戦は控え組中心の1、2本目にミスから失点を重ねた。主力に入れ替わった3本目は圧倒しながらもトータルスコアで敗れた。仲川を含む主力の出来は決して悪くはなく、むしろ褒められるべき試合内容だった。それにもかかわらず、首を横に振る。
「J1のプライドがあるので、どのカテゴリーのチームであろうと負けは許されない。それはこのチームになければいけないもの。J1で優勝するには、それ以上のメンタリティーが必要になります」