J1全18クラブ「戦力格付けランキング」 横浜FM&川崎がAランク評価…“V候補”に迫る筆頭格は?

2シーズン目を迎える鳥栖の川井健太監督【写真:(C) Jリーグ】
2シーズン目を迎える鳥栖の川井健太監督【写真:(C) Jリーグ】

補強で成果の鳥栖、川井体制2年目のパフォーマンスに注目

 今季、面白い存在になり得るのが川井健太監督の下、2シーズン目を迎えるサガン鳥栖だ。債務超過の影響で、ここ数年は主力の大量放出を繰り返したが、そこを最小限にとどめながら、戦力の穴埋めをするだけでなく、U-20日本代表エース候補のFW横山歩夢(←松本山雅FC)やFW樺山諒乃介(←横浜FM)など、個人で打開できるタレントを加えている。若い選手が多く、U-20ワールドカップ(W杯)予選と本戦を控える代表活動に選手が取られるケースも多くなりそうだが、シーズン中の伸びしろも大いに期待できるチームだ。

 OBの岩政大樹監督の下、チャレンジを続ける鹿島アントラーズ、百戦錬磨のネルシーニョ監督が率いる柏レイソル、ヴィッセル神戸からMF小林祐希が加わった札幌は上位躍進のポテンシャルを十分に備えるが、上記のチームより若干、不安要素も多い。鹿島は主導権を握りにいく戦い方のなかで、そこにクオリティーとビジョンの共有が付いてこないと、対策の罠にハマる可能性もありそうだ。

 札幌は二桁得点を狙えそうなFWが不在。ただし、韓国人FWキム・ゴンヒ、パリ五輪代表候補のFW中島大嘉、大卒3年目となるFW小柏剛、来日3年目の爆発が期待されるFWミラン・トゥチッチ、大卒ルーキー屈指のストライカーであるFW大森真吾(←順天堂大)と好素材は揃う。そこから誰か1人でも、得点王争いに絡むようなブレイクを果たせば上位躍進に直結する。

 Dランクで注目したいのはガンバ大阪だ。ダニエル・ポヤトス新監督の下、イスラエル代表MFネタ・ラヴィやカタールW杯に出場したチュニジア代表FWイッサム・ジェバリなど、大型補強が目を引く。戦術をほぼゼロから構築するプロセスという事情を加味してDランクに入れたが好タレントが揃うだけに、上位に食い込んでもおかしくない。ただ、今季は降格枠が1つしかないこともあり、あくまでチーム作りのシーズンという見方も大事なポイント。早急に結果を求めすぎると、成長の袋小路にはまってしまう危険もあることは注記しておく。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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