浦和モーベルグ、日本の育成に持論「パスを望んでいる」 J助っ人が見た幼少期との違い「常に個を磨いた」

インタビューに答えるモーベルグ【写真:(C) URAWA REDS】
インタビューに答えるモーベルグ【写真:(C) URAWA REDS】

日本サッカー育成年代の全体的な印象に見解

 昨季のJリーグベストイレブンに入ったサイドアタッカーは横浜F・マリノスのFWエウベルと、川崎フロンターレのFWマルシーニョだった。ドリブラーが育つ土壌の違いはどこにあるのか、モーベルグは日本サッカーの育成年代からの全体的な印象について、自身の成長過程と比較しながら言葉にした。

「日本ではやはり、アカデミー、下部組織の頃から、どちらかと言えばチームプレーヤーに育てるような印象ですね。監督やコーチがどちらかと言えば、パスや組織的なプレーを望んでいると思う。もちろん、ブラジルなどはもっと個で打開するような育成年代の教えが明確に出ていると思う。日本にも本来もっとドリブラーはいるのかもしれないけど、そのような面があるのかもしれないですね。

 子供の頃の僕は小さな村のチームでプレーしていたので、常に自分がドリブルをしないといけないという責任を感じながらプレーしていたのを覚えているよ。周りは走っていたけど、自分は常にドリブルをしていた記憶が残っているね。もちろん自分よりもビッグクラブでプレーしていた同世代の仲間はいた。彼らは教育を受けて組織的なサッカーは上手になったけど、僕のような突発的な、即興性のあるドリブラーには育たなかった。だから、選手としてのタイプはそこで違ったかなと思う」

 モーベルグはチームの王様のように振る舞っていた子供の頃から、組織的なプレーを成長するにつれて学んで今のスタイルを身に付けたという。「個人的には、若い内は色々と自分を磨く部分が重要だと思う。ビッグクラブで週に7回サッカーを教え込まれるより、僕は常にドリブルをしながら、個を磨くことをやってきた。それが今の自分につながっていると思う」と話すように、ここという場面で見せるインスピレーションにあふれるドリブルとプレー選択は、自由な発想をふんだんに発揮して生まれ育ったサッカー選手としての形成過程が影響しているようだ。

※第2回に続く

[プロフィール]
ダヴィド・モーベルグ/1994年3月20日生まれ、スウェーデン代表。IFKヨーテボリ(スウェーデン)―サンダーランド(イングランド)―キルマーノック(スコットランド)―サンダーランド(イングランド)―FCノアシェラン(デンマーク)―IFKノルシェーピン(スウェーデン)―スパルタ・プラハ(チェコ)―浦和。J1通算20試合8得点。スピードに乗ったドリブルで相手DFを翻弄するウインガータイプ。左足から繰り出される鋭いシュートやセットプレー時のフリーキックで高い決定力を誇る。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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