浦和でプロ生活スタート→2年半の武者修行 「悔しい気持ちでいっぱいだった」…23歳DFが得た“責任”

浦和へ復帰の荻原拓也【写真:Getty Images】
浦和へ復帰の荻原拓也【写真:Getty Images】

DF荻原拓也、新潟&京都へのレンタル移籍から浦和へ復帰

 J1浦和レッズは1月6日に新体制発表会見を実施。京都サンガF.C.への期限付き移籍から復帰したDF荻原拓也は、下部組織から浦和で育ったことへの思いを胸に「試合に出るのはもちろん、チームの勝敗の責任を負えるように頑張りたい」と話した。

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 23歳の荻原は浦和のジュニアユースからユースを経て、2018年にトップ昇格。同期には東京五輪の代表にも名を連ねたDF橋岡大樹(シント=トロイデン)がいる。注目度はそちらが上だったが、ユース時代の監督だった大槻毅氏(現ザスパクサツ群馬監督)が暫定監督を務めた時期やオズワルド・オリヴェイラ監督時代には、18歳世代ながらチャンスを掴む機会もあった。

 一方で浦和が翌年に元日本代表DF山中亮輔(現セレッソ大阪)を獲得したことなどもあり、20年の夏に出場機会を求めてJ2へ期限付き移籍。半年間をアルビレックス新潟でプレーし、翌年には京都に期限付き移籍して2シーズンをプレー。最初のシーズンでJ1昇格を達成し、2年目になる昨季はJ1でプレーしての浦和復帰になった。

 荻原は「プロ生活を浦和レッズでスタートし、思うようなシーズンを送れなかった。出場機会を得るために(浦和から)出た。悔しい気持ちでいっぱいだった。でも、一歩外に出た時に感じたのは、浦和は偉大で大好きなクラブだと改めて思った。帰ってこられたことにワクワク、楽しみな気持ちでいっぱい」と話し、「ジュニアユースからこのチームで育ってきて、感謝の気持ちを出してチームを勝たせられる存在としてやっていきたい」と力を込めた。

 左利きの荻原は、強烈なミドルシュートや鋭いクロスといったキックの部分、あるいはドリブルでの突破力もプレーの魅力だが、何よりもその積極性やハングリー精神、「ガツガツした」印象を与えるところが最大の魅力だと言えるだろう。おとなしい選手の増えた浦和の中で、チームに勢いと刺激を与えるような存在になることも期待される。

 そのレフティーは「2年半のレンタル期間を経てここに戻ってこられたのを本当に嬉しく思う。この2年半で自分が成長してきたことを、本当にピッチの上で力を最大限に還元したい。プレーで言えば色々あるけど、特徴の攻撃力を存分に出したい。2年半で何が成長できたかは、試合に出た経験を積めたことで、勝敗に責任を負う立場でプレーできたこと。試合に出るのはもちろん、チームの勝敗の責任を負えるように頑張りたい」と、下部組織出身の選手らしくクラブへの思いの滲み出る言葉を残した。

 浦和の左サイドではパリ五輪を狙う世代のDF大畑歩夢や、左右をこなすユーティリティーなDF馬渡和彰も所属するが、荻原の攻撃力やプレースタイルは2列目でも十分生きる。右の2列目からカットインしてのミドルシュートも期待の持てる武器だけに、新シーズンに浦和復帰のレフティーが見せるプレーが埼玉スタジアムを沸かせる瞬間が訪れそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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