森保ジャパン、対戦国ドイツ人指導者が注目の“キーマン” 「攻撃がさらに機能」と今季の躍動を評価された選手は?

ドイツ国内における日本代表に対する一般的な評価を集めてみた【写真:ロイター】
ドイツ国内における日本代表に対する一般的な評価を集めてみた【写真:ロイター】

【ドイツ発コラム】ドイツ国内における日本代表への“リアルな声”

 カタール・ワールドカップ(W杯)で日本代表が初戦に対戦するドイツ代表。ドイツ国内における日本代表に対する一般的な評価はどんな感じなのだろうか。現地のリアルな声を集めてみた。

 僕はドイツのフライブルクというところの地域クラブでU-13、U-19の監督を務めている。そこで今回はそのクラブのドイツ人指導者仲間に「日本代表のキーマンはだれ?」というテーマで話をしてもらった。

 マキシム(仮名:U-19アシスタントコーチ)「全選手を知っているわけではないけど、まず思いつくのはハセベ(長谷部誠)だね。彼はすごいよね。38歳でトップレベルのパフォーマンスなんだから。え?彼は代表に入っていないの?怪我だから?年齢的な問題?残念だなぁ。彼がいることでチーム全体のリスクマネジメントが何倍もよくなる。

 彼以外の選手で印象深いのは同じフランクフルトのカマダ(鎌田大地)だ。彼もすごくいい。僕はフランクフルトのファンじゃないけど、でもCL(UEFAチャンピオンズリーグ)でドイツクラブのどのチームを応援するといったらフランクフルトなんだ。EL(UEFAヨーロッパリーグ)でも昨シーズンすごかったじゃない。情熱的だし、彼らのサッカーはダイナミックでスピーディ。

 そんなフランクフルトで鎌田が果たしている役割は重要だ。とてもインテリジェンスの高い選手だと思う。彼のボールを持つ姿はエレガント。最近は競り合いにおけるフィジカルコンタクトも強くなっているし、攻撃へ移行するときのパスワークは見事だ。中盤からゴール前に顔を出すタイミングも相手からしたら嫌なものがある。彼が自由にプレーできるとドイツにとっても厳しくなる」

 トーマス(仮名:U-17監督)「いや、フライブルクの活躍ぶりを見たら間違いなく堂安(律)だ。彼が加入して、右サイドで起点になってくれるおかげで、フライブルクの攻撃がさらに機能するようになっている。昨シーズンまでは左サイドでグリフォとギュンターのコンビはよかったけど、右が孤立することが多かったからね。今季はそこで堂安がボールを収めて、ドリブルで仕掛けて、シュートを狙って、ラストパスを出してってできてるのがすごくいい。あと守備もいいんだよね。1対1でボールを奪い取れるし、パスミスをしても足を止めずに相手に突っかかってミスパスを誘発したりする。ドイツは特に両サイドバック(SB)に難点を抱えているから、堂安とのマッチアップで不利になるなんてことも十分考えられる」

 エムレ(U-11コーチ)「僕も名前を挙げるとしたら鎌田だな。正直ここまですごい選手になるとは思わなかった。フランクフルトのサポーターは戦えない選手を受け入れないけど、鎌田はそこでも評価されている。それでいてボールを持った時のアイディアが豊富だし、滑らかなドリブルとかスルーパスでチャンスを作り出すことができる選手だよね。僕は自分がプレーするポジションもボランチだから、鎌田のボランチとしてのプレーはすごい参考になる。状況に応じたプレーの使い分けは抜群にうまいと思うよ。ドイツやスペイン相手にどこまでやれるかは試合にならないとわからないけど、でも何かやってくれそうな雰囲気を持った選手ではあるよね。ドイツからしたら怖い選手だ」

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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