なぜ“27人目の選手”でギャンブル!? 町野修斗が森保ジャパンに追加招集された理由を考察

短期間で周囲の選手と連係を構築できるか

 話を聞いていると、町野は「我が道を行く」タイプではないかと思える。E-1選手権の時は初戦の前に目標を聞かれると「大会で3点」と答え、理由を問われると「まぁ、3点で」と煙に巻いた。この図太さも大会向きでもあろう。

 だが、9月の戦いぶりを見る限り、町野の招集は「ギャンブル」と思われても仕方がないはず。短期間で周りの選手と呼吸を合わせることができるのかも未知数だ。自分のクラブでは絶好調ながらも日本代表に合流すると周囲との連係不足に苦しんでいる古橋亨梧(セルティック)と同じ思いをする可能性もある。

 いつもは理由がハッキリ見える、分かりやすい選考をする森保監督が、本大会前に勝負に出たとも言えるだろう。もしこの策が当たれば、対戦相手にとってもデータが少ない選手は厄介になるだろうし、チームに勢いを与えることにもなる。

 そして、今なお残る森保監督の選手チョイスに対する批判も収まることだろう。監督が選んだ「27人目」の選手は、これまで以上に重い役割を担うことになった。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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