森保J、バックアップメンバーはW杯帯同せず 反町技術委員長「いろいろなことを考慮」

日本サッカー協会の反町康治技術委員長【写真:(C) JFA】
日本サッカー協会の反町康治技術委員長【写真:(C) JFA】

反町技術委員長「プライドがあったり、休みたいという選手もいたりするかもしれない」

 11月20日に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー26名が11月1日に発表された。所属クラブでプレーしているFW大迫勇也(神戸)やFW古橋亨梧、MF旗手怜央(ともにセルティック)、MF原口元気(ウニオン・ベルリン)らが外れた一方で、9月から負傷離脱中のFW浅野拓磨(ボーフム)やDF板倉滉(ボルシアMG)が選出された。

 負傷中の選手がいる場合、各チームは初戦の24時間前までは選手を入れ替えることができる。その場合に備えて、バックアップの形で選手を呼ぶことも可能だが、オンライン取材に応じた反町康治技術委員長は、26名に入らなかった選手がチームに帯同することはないという意向を明かした。

 長期離脱中の浅野、板倉だけでなく、W杯メンバーの26名に選ばれたMF守田英正(スポルティング)、MF久保建英(ソシエダ)も、最近の試合で負傷を抱え、現在は戦列を離れている。反町氏は「特に欧州では、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を含めて、W杯まで3試合ある選手もいます。J1は最終節の1試合ですが、清水エスパルスが入れ替えプレーオフに回ることになったら(権田修一は)2試合ある。そういう(怪我をしてしまう)ケースもある」と、この先の公式戦のなかで負傷者が出ることも危惧していることを認めた。

 選手の入れ替えが必要になったとしても、チーム活動がオフに入った場合は、コンディションが落ちている可能性がある。2006年のドイツ大会のときには、オフで海外旅行に出ていたDF茂庭照幸を急きょ、ドイツに呼んだ過去もある。こうした経験を踏まえ、「準備をしてもらう可能性はある。選んだ26名でそのまま活動を続けたいが、いろんな問題が起きないとは限らない。まずは26名を選ぶところに集中していたが、今後、何人かはリストを挙げて、(準備を)お願いする可能性がある」と、協会としての意向を語った。

 ただし、カタールでの活動に参加するのは、あくまで入れ替えが行われるときのみだ。「現段階では帯同はありません」と、前置きをした反町委員長は「14日からはインターナショナルウィンドウに入るので、(帯同選手をチームに)入れようと思ったら可能です。しかし、選手それぞれにプライドがあったり、休みたいという選手もいたりするかもしれない。いろいろな兼ね合いがあります。また、それだけ大きな所帯で合宿をして、気持ちの持ち方が全く違うと、今回の活動では難しい場合もある。そういういろいろなことを考慮して、今回は26名で14日からスタートします」と、バックアップメンバーを帯同させない意図を説明した。

 要請を受けた選手は、複雑な思いを抱えながらコンディションの維持に務めることになることは想像に難くない。メンバーの入れ替えがないまま、カタールの地での戦いが始まったときには、そうした選手の存在があることも頭の片隅には入れておきたいところだ。

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