日本GKプロジェクトアドバイザーが語る、「ゴールキーパー」から「ゴールプレーヤー」への進化の風潮

フランス・フック氏がGKの変化について言及【写真:Getty Images】
フランス・フック氏がGKの変化について言及【写真:Getty Images】

テクニカルアドバイザーのフック氏がGK界の現状に分析

 日本サッカー協会(JFA)のGKプロジェクトのテクニカルアドバイザーを務めるフランス・フック氏が、10月12日にオンラインでのメディアブリーフィングを行った。

 現役引退後にGKとフリーキック(FK)の専門のアシスタントコーチとなったフック氏は、ヨハン・クライフ監督時代のオランダ1部アヤックス(1985年~1997年)やルイ・ファン・ハール監督が率いたオランダ代表、イングランド1部マンチェスター・ユナイテッドなどで指導した経験を持つ。元オランダ代表GKエドウィン・ファン・デル・サール、元スペイン代表GKのビクトール・バルデスやホセ・マヌエル・レイナといった名GKを育ててきた。

 そんなフック氏は、2019年にJFAが取り組むGKプロジェクトにアドバイザーに就任。10月4日〜6日のゴールキーパーレベル3コーチ養成講習会(参加者47名)、7日〜9日のナショナルGKキャンプ(20名)、10日〜11日のゴールキーパーA級コーチ養成講習会(7名)に参加した。

 フック氏はメディア向けに行われたブリーフィングで、GKというポジションをについて文字通りゴールを守るだけの「GOAL KEEPER」から、よりオールラウンドな働きを求められる「GOAL PLAYER」へ変化したと語る。こうした変化は味方選手からのバックパスを手で扱うと反則になるルール改正が行われた1992年を境に顕著になっていった。

 かつては元デンマーク代表GKピーター・シュマイケルや元ドイツ代表GKオリバー・カーンといった「大きくてパワーのあるGK」が主流だったが、近年ではブラジル代表GKエデルソン(マンチェスター・シティ)やアリソン(リバプール)に代表されるように足元の技術にも長け、ビルドアップに貢献するGKが欧州の第一線で活躍するようになった。セービングやキャッチングは当然として、足でボールをしっかりと扱う技術を標準搭載していなければトップレベルの競争に勝てなくなっている。

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