日本代表の采配に「おぉ勝ちにいった!」「ええぞ!」 金田喜稔が驚嘆した訳「勝負師・森保の一面を見た」

PKストップ直後、吉田麻也と伊東純也を同時投入「僕はものすごく評価している」

 後半頭からFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)を投入。さらにMF鎌田大地(フランクフルト)、MF遠藤航(シュツットガルト)、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)らを続けて送り込み、金田氏は機能不全に陥ったチームに活力が戻ったと見ているなか、終盤に驚きの采配があったと明かす。

 相手にPKを献上し、GKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)が見事なPKストップを披露。ビッグセーブに沸いた直後の後半38分、日本はDF長友佑都(FC東京)に代えてDF吉田麻也(シャルケ)、堂安に代えてMF伊東純也(スタッド・ランス)を投入した。

「後半、徐々にオープンな展開となってきたなかでキープできる鎌田を入れ、両チームに得点の可能性が出てきた。そんななかで相手にPKを与え、難を逃れた直後に吉田と伊東を起用している。吉田と伊東の実力は分かり切っているうえ、アメリカ戦で起用した2人を休ませる無難な選択もあった。では送り出した意味は何か? それは当然、森保監督が勝利にこだわり、単なるテストではなく勝ちにいく采配にほかならない。伊東のスピードは1本のパスから決定機につながるし、吉田は守備を安定させると同時に高さで得点も狙える。リスクを抑えながら点を取りにいき、勝つという意思を見せた終盤の采配について言えば、僕はものすごく評価している。『おぉ勝ちにいったぞ!』『ええぞ!ええぞ!』と思ったし、勝負師・森保の一面を見た。土壇場で送り出された2人は、むしろいつもと違う起用で戸惑ったかもしれない」

 結局試合は0-0ドローに終わったものの、金田氏は勝ちにこだわる姿勢を見せた森保采配を評価していた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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