森保ジャパン、欧州遠征メンバー“サプライズ候補” 藤田、相馬らE-1組抜擢の可能性、欧州組の22歳“秘密兵器”にも注目

FW中村敬斗、MF藤田譲瑠チマ、MF川辺駿、FW相馬勇紀【写真:Getty Images】
FW中村敬斗、MF藤田譲瑠チマ、MF川辺駿、FW相馬勇紀【写真:Getty Images】

【識者コラム】6月シリーズで招集外&E-1選手権組の中から抜擢され得る“サプライズ候補”を紹介

 森保一監督率いる日本代表にとって、カタール・ワールドカップ(W杯)に向け貴重な強化試合となる9月の欧州遠征。ここでメンバー入りを果たせるかどうかがW杯行きを左右すると言っても過言ではなく、その顔ぶれは大いに注目を集める。30名前後の招集が見込まれるなか、ここでは6月シリーズで招集外だったメンバーやE-1選手権組の中から抜擢され得る“サプライズ候補”を紹介する。

 森保監督はドイツで行われるアメリカ、エクアドルとの2試合に向けて、最大30人のメンバーを招集することを明かした。もともとカタールW杯の最終エントリーが26人になることに合わせて、今回も26人の招集を想定していたというが、なるべく多くの選手をチェックしたいこと、コロナ禍でアクシデントが起きた場合の対応、またメンバー発表後に辞退が出た時に、追加で招集しにくいことなども考えて、余裕のある人数を招集する方針になったという。
 
 カタールW杯は過去の大会と異なり、チームが合流してから準備期間が1週間しかない。先日、開幕前にUAEでカナダ戦(11月17日)を行うことが発表されたが、そこが本番までの最後のテストとなる。森保監督は最終メンバーの招集にあたって、大きなサプライズがないことを示唆している。DF酒井宏樹(浦和レッズ)のような怪我で離脱中の常連メンバー、また度重なる怪我で万全に戻っていないFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)のような実績組を除くと、9月の2試合に呼ばれたメンバーから26人に絞られることになりそうだ。

 30人と言っても、ここまでA代表の招集歴のない選手は極めて難しいと見ている。その中でも6月の4試合で招集外だったメンバーやE-1選手権組からの抜擢は“サプライズ”と言うこともできる。一番の注目は酒井が怪我で離脱している右サイドバック(SB)と絶対的な存在のいない左SBだ。

 右SBはやはり左からDF長友佑都(FC東京)が回るオプションやDF冨安健洋(アーセナル)、DF山根視来(川崎フロンターレ)ともう一枠だが、普通に考えれば6月に招集されながら怪我で離脱していたDF菅原由勢(AZアルクマール)がチャンスを与えられるはず。合流前に膝の怪我を抱えていた菅原は離脱してすぐ手術に踏み切ったが、すでに復帰してオランダリーグの試合にも出ながらコンディションを上げているようだ。

 ただ、このポジションにはドイツ2部で奮闘するDF室屋成(ハノーファー)やセンターバックとの万能性を発揮できるDF橋岡大樹(シント=トロイデン)もおり、最後の滑り込みに向けてチャンスをもらう可能性もある。左サイドは長友が右とのマルチになることも踏まえて、順当なら6月と同じくDF中山雄太(ハダースフィールド・タウン)とDF伊藤洋輝(シュツットガルト)になる。

 そこにサプライズとまでは言えないが、DF佐々木翔(サンフレッチェ広島)はこれまで何度も招集歴があり、E-1選手権の韓国戦でのパフォーマンスで評価を上げていれば招集されるかもしれない。ただ、しばしば森保監督が名前を挙げるDF小川諒也(ヴィトーリア)も、直近のリーグ戦2試合でスタメン起用されるなど、新天地での地盤を築きつつある情報が、森保監督のアンテナにかかっていないはずはないだろう。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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