オフサイドになるケースが増える? 判定に関わる“重要点”に追記事項「身体の動きを整える時間があったかどうか」

「ボールをコントロール下においている」状況を判断する基準とは?(写真はイメージです)【写真:高橋 学】
「ボールをコントロール下においている」状況を判断する基準とは?(写真はイメージです)【写真:高橋 学】

JFAがメディア向けにレフェリーブリーフィングを実施

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は8月23日、メディア向けにレフェリーブリーフィングをオンラインで実施。国際サッカー評議会(IFAB)から通達された「意図的なプレーとディフレクションに関するガイドラインの明確化」という点について、Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャーを務める東城穣氏から説明があった。

 現行のルールではオフサイドの適用において、相手競技者が「意図的なプレー」をした場合(意図的にセーブされたボールを除く)は、オフサイドとならないことが定められている。

 東城氏はまず、「意図的なプレー」は「念頭に『競技者がボールをコントロール下においているか』が重要となる」と大枠を示した。

「意図的なプレー」とは、競技者がボールをコントロール下において
・ボールを味方にパスをする
・ボールを保持する
・ボールをクリアする(蹴る、またはヘディング)

 また、「プレーが失敗した場合であっても、結果思い通りにならなかったということではなくて、やはり意図的にプレーしたということになる。この部分はこれまでと変わっておりません」とオフサイドのルール上の変更点はないことを明らかにしている。

 そのうえで、この「意図的なプレー」となる「ボールをコントロール下においている」状況を判断する基準は、以下で示す5つとなる。

(1)ボールが長く移動したので、競技者はボールがはっきりと見えた
(2)ボールが速く動いていなかった
(3)ボールが動いた方向が予想外ではなかった
(4)競技者が体の動きを整える時間があった
(5)グラウンド上を動いているボールは、空中にあるボールに比べてプレーが容易である
※考慮すべき点として記載

 これらを今後審判団が判断し、「意図的なプレー」だったかどうかを見極め、オフサイド判定を行う。東城氏によれば、(1)から(3)の項目に関しては以前からあり「基本的に変わっていない」とし、新たに追記されたのは項目(4)(5)の部分であり、重要となるのは(4)「競技者が身体の動きを整える時間があったかどうか」の点だという。

「反射的に身体を伸ばしたりジャンプせざるを得なかったということでもなく、または、かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではなかった場合は、今後意図的なプレーにならず、オフサイドの反則になります」

 この適用で、守備側の懸命なプレーがオフサイドを取り消してしまうという、不条理な場面は減っていく可能性もありそうだ。

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