久保建英、レアル・ソシエダでの立ち位置は? 起用法、ライバル候補、求められるタスク…躍動へのポイントを考察

周囲をいかに生かしながら、自分も生きていけるかという資質が問われる

 久保に期待されるのはゴールに加えて、イサクや新戦力のチョーに良質なラストパスを送り届けることだ。味方のクロスにタイミングよく走り込んでゴールというシーンはクラブのアップした動画などでも見られるが、チャンスメイクから関わる久保の特性を考えると、周囲のアタッカーをいかに生かしながら、自分も生きていけるかという資質が問われてくる。

“ラ・レアル”の生命線となる中盤にはMFマルティン・スビメンディ、MFミケル・メリーノが健在で、ディフェンスラインには昨年10月の月間最優秀選手を受賞したCBのロビン・ル・ノルマンがいて、カンテラ育ちのDFアリツ・エルストンドも力強くチームを支える。守護神のGKアレックス・レミロも含めてセンターラインが非常に安定しているチームなので、あとはアタッカー陣の得点力が大きく鍵を握る。

 久保が右サイドにしても、トップ下にしても攻撃で主力の一角を担うことは間違いない。ただ、起用法に“理不尽さ”がない分、パフォーマンスと結果に対してはシビアに求められてくることは久保本人が誰よりも自覚しているだろう。

 レアルやバルセロナのような欧州に覇を唱えるメガクラブではないが、“ラ・レアル”の称号を持つ伝統があり、ここから飛躍を目指しているクラブ で、久保がどういう成長曲線を描いていけるのか。4か月後のカタール・ワールドカップにつなげることはもちろんだが、シーズンを通して注目していきたい。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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