森保Jは「古参選手に見切りをつけるべき」 英記者が見解、W杯へ主力メンバー“再考”を提言
【識者の目】カタールで恥をかかないために…緊急の課題に言及
日本代表(FIFAランキング23位)は6月14日、パナソニックスタジアム吹田で行われたキリンカップ決勝でチュニジア代表(同35位)と対戦し、0-3で敗れた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、現主力メンバーの構成に疑問を投げかけている。
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昼と夜。チョークとチーズ。あるいはジキルとハイドか。我々はこの6月シリーズの4試合で、日本代表の驚くべきほどの明暗を目の当たりにした。チュニジア戦の後半に披露した屈辱的なパフォーマンスでその兆候が明らかになった。
先週のブラジル戦の敗戦について、一部ではポジティブな結果として受け止められているようだが(私の意見ではそれは誤ったものだが)、このリアクションは日本サッカーのエリートの仲間入りを果たすためには精神面から変えていかなければならないことを示している。
半年後のカタールで恥をかかないために日本代表チームが何をすべきか。これが今の緊急の課題となっている。
チュニジア相手の惨敗は、森保一監督が多くの古参選手に見切りをつけ、ガーナ戦やパラグアイ戦で活躍したエキサイティングな若手の才能を受け入れるべき時が来たことを浮き彫りにした。
チュニジア戦で先発した浅野拓磨、伊東純也、鎌田大地、南野拓実はアタッキングサードにおける新しい発見を提供することはできなかった。これはすでに見慣れた光景といっていい。前の試合(ガーナ戦)では三笘薫、久保建英、堂安律が躍動感と予測不可能な攻撃をチームにもたらしたのに対し、上記の4人、特に南野と鎌田は結果を残すことができなかった。
国際試合、特にトーナメントの試合ではより高い確率でチャンスをものにしたチームが勝ち上がる。何度もチャンスを無駄にしている余裕などはない。
私が思い出すのは日本が初めてワールドカップ(W杯)に出場した1998年フランス大会のアルゼンチン戦とクロアチア戦だ。どちらも緊迫した展開で、日本もいいパフォーマンスをしていた。しかし、これらの試合で勝敗を分けたのはゴールを決める選手のクオリティーだった。アルゼンチンはガブリエル・バティストゥータ、クロアチアはダヴォール・シューケルがゴールを決めた。
両チームともに多くのチャンスを得たわけではなかったが、その代わりにチャンスに冷酷に対応した。今の日本代表は1998年当時の岡田武史監督のチームと同じく、その冷酷さが欠けている。前半の南野の空砲とその直後の鎌田の不可解なミスは日本の攻撃に欠けているクオリティーを明確にした。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。