ブラジル代表FWヴィニシウスが激白、森保ジャパンに抱いた印象は? 「僕たちがかなり潰された」
【独占インタビュー#1】21歳新鋭アタッカーが日本戦を回想
ブラジル代表は6月6日に行われた国際親善試合で日本代表に1-0で勝利した。この試合に先発出場したFWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)が、「FOOTBALL ZONE」の単独インタビューに応じ、森保ジャパンの印象を明かした。(取材・文=河合 拓/全3回の1回目)
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ヴィニシウスは、国立競技場で行われた日本とのキリンチャレンジカップでスタメン出場。鋭いドリブル突破で打開力を発揮した一方、日本の粘り強いディフェンスに苦しめられ決定的な働きは果たせなかった。
この試合を「難しい試合でした。日本の守備が非常に良く、僕たちのカウンターがかなり潰されました。それでも最終的に勝つことができて良かったです」と振り返ったヴィニシウス。日本の戦いぶりには、ある強いインパクトを覚えたという。
「特に感じたのは、リカバリーの速さです。日本の選手たちは、帰陣が速く、しかも多くの人数が戻ってきたので、崩すのに苦労しました。ワールドカップ(W杯)で日本が戦うのは、有名なタレントが揃っているドイツとスペインです。
特にスペインには、アンス・ファティやガビ(ともにバルセロナ)のような若手や(ダニエル・)カルバハル(レアル)のような選手もいます。グループを勝ち抜くのは大変だと思いますが、昨日の日本であれば勝ち進んでいけると思います。アドバイス? それは難しいですね」
日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)やDF長友佑都(FC東京)が「点差以上の差がある」と明かした“カナリア軍団”。ヴィニシウスは「僕たちブラジル代表には、ヨーロッパでもトップレベルで主力として戦っている選手が揃っているから、その違いは示さないといけない」と、その言葉からは“王国”としてのプライドが覗く。
そんなブラジルが目指すのは、史上最多記録の更新となる6度目のW杯優勝だ。ブラジル国内で「新たなネイマール」と評され、次世代のセレソンのエース候補に挙げられているヴィニシウスは、特別な思いがカタールW杯にあると言う。
「代表でプレーできることは、それだけでも嬉しいのですが、自分にとって子供の頃からずっと見てきたアイドルであるネイマールと一緒にプレーできるのは、さらなる喜びです。今でも彼は、僕にとってアイドルです。彼と一緒にプレーできることは光栄ですし、コンビネーションを高めていき、期待されている結果を勝ち取れるようにしたい。今回のW杯は、もしかしたら彼にとって最後のW杯になるかもしれないから、良い結果を出したいと思います」
もう一つ、W杯優勝を目指す理由がある。憧れのネイマールのように多くのタトゥーを入れたいようだが、それには父親の許可が必要なのだという。
実は、タトゥーのデザインについては、すでに構想がある。自身が優勝に貢献したUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のトロフィーを入れるつもりだが、W杯優勝を果たせば、その横にW杯のトロフィーも並べる予定だという。
「W杯で優勝できれば、きっと父も許してくれると思うので頑張りたい」
ブラジルの期待を集める、あどけなさの残る21歳のアタッカーは、W杯イヤーとなる2022-23シーズン、どのようなプレーを見せてくれるだろうか。
(河合 拓 / Taku Kawai)