日本サッカーを愛する闘莉王がリオ五輪の敗因を検証 運命の分かれ道は第2戦の「戦略ミス」

「藤春は挽回しようと燃えていたはず」

「3人目の交代で、なぜ藤春を代えたのだろう。ミスをした選手は挽回しようと燃えるもの。発奮してゴールを決めるケースもある。自分はそういう選手にはチャンスを与えたいと思うタイプ。前の選手はプレスをかけ続けていて疲れていたので、攻撃的なカードを切っても良かった。

 勝ちにこだわる選択肢もあれば、ドローでスウェーデン戦勝負という考え方もある。でも、コロンビアが最終戦で対戦するのはすでに決勝トーナメント進出を決めていたナイジェリア。本気でプレーする理由がない相手に、コロンビアが負ける可能性は低い。スウェーデン戦であんなにいい試合を見せて、しかも勝ったのに決勝トーナメントに進出できなかったのは、結果的に自力突破の可能性を捨ててしまった戦略ミスと言わざるを得ないと思う」

 闘将は悔しそうにこう語った。

「決勝トーナメントに行ければ、それこそ旋風を起こせると期待できた。選手はこの経験から学ぶしかない。自分もアテネ五輪のグループリーグ最終戦で、勝って大会を去ることになった(編集部注:パラグアイ、イタリアに2連敗し、すでに敗退は決まっていた)。あの経験から多くを学んだ。あの時の日本代表と同じグループだったイタリアとパラグアイは、銀メダルと銅メダルを獲得したチームだった。

 今回のグループは、振り返ってみれば日本が一番強かったと言えるのかもしれないし、一方で初戦で調整不足のナイジェリアと戦うなど組み合わせにも恵まれていた。悪かった部分をカモフラージュすることは良くないこと。簡単にクリアできない問題が多いとは思うけど、成長するためには直視しなければいけない」

 闘莉王は無念の敗退となった手倉森ジャパンと日本サッカー界の未来に対して、毅然と提言していた。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

 

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