【検証】浦和レッズ、9戦未勝利をどう捉えるべきか? アイデア任せの手法に潜む懸念「阿吽の呼吸で崩すようなところがない」

理想と現実の狭間で求められる具体的な解決策

 この試合で松尾に近いトップ下に入ったMF小泉佳穂もまた、最後の部分で足りない部分について思い切りなどのメンタル部分に求めるだけでなく「阿吽の呼吸で崩すようなところ、ミシャ時代の(柏木)陽介さん、(興梠)慎三さん、武藤(雄樹)さんで崩すようなホットラインが今はない状態で、一朝一夕ではできないけど突き詰めるしかない。技術であり、創造性やコンビネーション。もう少し崩しのところでテンポよくワンタッチが入るとシュートまでいけると思う」と、前線について話した。

 実際に、このリーグ戦を9戦未勝利だった期間にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でのタイ遠征も2週間入り、ほとんどトレーニングで確認する時間はなかった。そして、過密日程を選手のローテーションでやり繰りしたことで、特定した選手間の相互理解が深まらなかった側面はあるだろう。

 6月1日の天皇杯を終えると18日のリーグ第17節・名古屋グランパス戦まで時間を取ることはできる。そこでロドリゲス監督は攻撃の仕上げの部分に自らが乗り出していくのか、それとも選手間でのケミストリーが発展していくのを待ち続けるのか。2勝9分5敗の勝ち点15という成績からも、理想と現実の狭間で具体的な解決策を提示していくことが求められるのではないだろうか。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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