柏、実りあるドロー プレス機能、浦和相手の無失点「上位に残っていける」と選手前向き

柏のネルシーニョ監督【写真:Getty Images】
柏のネルシーニョ監督【写真:Getty Images】

相手選手のポジショニングに後手を踏むも、修正を施した後半の戦いぶりが奏功

 柏レイソルは5月8日のJ1リーグ第12節で浦和レッズと0-0で引き分けた。ネルシーニョ監督は「点こそ入らなかったが非常に拮抗した良い内容のゲームだった」と、両チームが見せたプレーは質の高いものだったとして、引き分けの勝ち点1を前向きに捉えた。

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 柏は前節に3連敗をストップして勝利を収めて、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の戦いを終えての帰国初戦になった浦和を迎え撃った。前半は浦和の最終ラインから始まるビルドアップに後手を踏む場面が少なからずあり、それは指揮官も選手たちも問題を感じていたと記者会見で話している。

 DF上島拓巳は「江坂(任)選手がボランチ脇をうろうろしてフリーで受けるとスカウティングがあった。その対応を考えていたけど、思ったよりもワイドの(ダヴィド・)モーベルグ選手と関根(貴大)選手が中に入るとか、馬渡(和彰)選手がインサイドに入ることもあって中盤の数が多くなって捕まらなかった。出し手にプレッシャーが掛からず耐える感じになった」と、前半を振り返った。

 それでも最終的に決定的な突破を許さずにハーフタイムを迎えると、ネルシーニョ監督が「浦和は非常に精度の高いビルドアップができる。中盤にスペースを空けると致命的。そこをケアしようということで、スタートは2トップが横関係でのプランで入ったが、縦関係に変えることで相手のボランチが動いて引き出すのをケアして、2人のセンターバックに1人がプレッシャー、サイドバックに入ったボールには中盤が連動していくとした。前線からプレスがハマる時間が増えたと思う」と修正を施した。

 これによって柏が奪って速く攻める形でチャンスを作りかける回数も増えたが、一方で浦和の最終ラインもDFアレクサンダー・ショルツらの牙城は強固でGK西川周作に脅威を与えるほどの場面は作り切れず。結果的に0-0で引き分けた。

 ホームでのスコアレスドローだが、ネルシーニョ監督は「この厳しい戦いで勝ち点1を積み重ねられたのは満足している」と話し、GKキム・スンギュも「勝ち点1を取れたことに価値を見出したい」と話す。

 そうした理由に上島は、昨季に残留争いにも一時巻き込まれ失点も多かったチームだったことを踏まえて「去年はこういう試合を落としていたかもしれない。こういう勝ち点を積み上げていければ上位に残っていけると思う」と、成長を強調した。

 暫定4位となった柏だが、ネルシーニョ監督が率いるチームらしいしぶとさを取り戻しつつある。指揮官も選手も、この引き分けには得るものが多かったと感じているようだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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