マジョルカ久保建英を取り巻く状況悪化…今後の出場は? “結果重視”のアギーレ新体制を分析

新体制下で練習に励むマジョルカの選手【写真:島田 徹】
新体制下で練習に励むマジョルカの選手【写真:島田 徹】

久保に求められる決定的な仕事、十分でないと判断されれば出場は減るだろう

 筆者が付け加えるとすれば、広くサッカーという競技が好きという方に対して今後マジョルカの試合を見るのはあまりお勧めできない。おそらく時間の無駄になる。ガチャガチャゴチョゴチョとピンボールのようにボールが行き来し、危機回避が唯一絶対の戦い方になると思われる。一方でマジョルカに思い入れできる人たちや(内容はともかく)痺れるような真剣勝負を見たいという方々なら今までよりも楽しめるかもしれない。

 そして新体制での久保の役割については、現時点では指揮官自身も起用方法を見定めているところだ。ともあれ5バックを基本布陣とするなら、これまでよりボールに触れる機会や味方のサポートが少なくなることが考えられる。

 昨季のヘタフェのように前線での人数や攻撃にかける時間が限られるなかで、久保には決定的な仕事が求められるのだろう。攻撃の特性を生かすということなら変に中盤で起用されるより2トップの一角としての方がより良い選択になるが、それでも守備への貢献は大前提に求められるし、それが十分でないと判断されれば自ずと出場の場面は減るだろう。

 チーム、久保個人としても取り巻く状況は悪化しているのは事実。ギリギリの戦いのなかで意地を見せ、立て直しのきっかけをつかむことができるか――。シーズンの出来を決める正念場を迎えている。

(島田 徹 / Toru Shimada)



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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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