復調の独2部デュッセルドルフ、新監督がアペルカンプ真大を信頼 期待される役割とは?

デュッセルドルフでプレーするMFアペルカンプ真大【写真:Getty Images】
デュッセルドルフでプレーするMFアペルカンプ真大【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】降格危機も懸念されたデュッセルドルフだが、ティウーヌ新監督就任で復調

 監督交代でここまで雰囲気が変わるのだろうか。

 一時は3部リーグ降格の危険性もあると心配されていたデュッセルドルフは2月6日の2部リーグ21節キール戦を0-1で落とし、16位へ順位を落としたことでクリスティアン・プロイサー監督を解任。そして、ダニエル・ティウーヌ新監督が就任以降の4試合で3勝1分と勝ち点10を一気に稼ぎ出した。

 監督交代は現状を鋭く知覚し、選手のリアクションを引き出すための措置になる。ただ、監督を代えさえすれば事態が好転するなんてことはしない。ブンデスリーガ50年の統計学によると、監督を何度どのように代えようが、そこでクラブとしての方向性を確かに打ち出せないと、やはりどこかで失敗を繰り返すというデータがある。

 それだけに、監督交代直後の試合ですぐに結果を出すというのは非常に大切だ。結果というのはもちろん試合結果を持ち帰るというのもそうだし、自分たちのプレーに対して手ごたえを得るというのも必要だ。ここでつまずくと、緊張感も、モチベーションもすぐに霧散してしまう。

 システム変更は、選手に分かりやすいイメージを持ってもらうための監督からのメッセージだ。ティウーヌ監督は、各選手の役割をシンプルに整理するところから始めた。4-4-2システムを採用し、ダブルボランチには機動性と運動性、競り合いの強さと縦への推進力のあるキャプテンのMFマルセル・ソボトカ、ポーランド人MFヤクブ・ピオトロフスキが現在のところファーストチョイス。そして、右サイドにはドリブルとクロスが武器のMFハレド・ナレイ、左サイドには攻守に関わることができ、スペースへの飛び出しとゴール前でのポジショニングに定評があるMFアペルカンプ真大が配置されている。

 ナレイが右サイドから切り崩し、ペナルティーエリア内で力を発揮するFWルーベン・ヘニングスとFWダニエル・ギンチェクの大型2トップにどんどんクロスを供給。そして、相手が両センターフォワードに気を取られている隙に、空いたスペースにアペルカンプが走り込んでいく。チーム全体としてインテンシティー高く保ちながら、攻守に連続して早くプレーしていくことでチーム全体のリズムをうまく作り出せている印象。それこそプロイサー監督時にはビルドアップからの展開が上手くハマらず、不用意なボールロストが多かったが、そのあたりはだいぶ改善されているようだ。

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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