G大阪パトリックの一発退場シーン、元日本代表DFが推奨した“ルールの明確化”案は?

ラフプレーの素振りを見せた時点での退場化など、基準の明確化を提案

「鈴木優磨はパトリックの足を抱え込んでいます。パトリックの腕が当たったのも、悶絶するくらい痛かったのか。審判を欺く行為と見ればシミュレーション扱いで、フェアプレー精神には欠けていると言われても仕方ないと思います。一方のパトリックにも過失がないわけではない。対戦して見てきたパトリックは本来、温厚な性格。選手としては鈴木優磨のようなプレーをされると、イラっとしてしまうところですが、多少なりとも腕を使おうとしています。レッドカードはかわいそうな気もしますけど、もう少し冷静にプレーしないといけなかった。駆け引きに負けたと言えばそれまでになります」

 栗原氏はパトリックの退場が起こる前の前半31分、ゴール前に走り込んだパトリックが鹿島DF関川郁万を倒し、VARとの交信を経て主審から注意を受けていたことにも触れている。

「鈴木優磨とのワンプレーだけ見ると、(一発退場は)どうしても厳しいようには見えます。でも、主審はその前も見ているので、『またやった』という印象があったかもしれません。過去には肘打ちしようとしたけど、たまたま当たらなかったプレーもあるので、『蹴る素振りをした、殴る素振りをした時点で退場』というように基準は明確すべきだと思います。そうすれば、選手がシミュレーションする必要もなくなりますから」

 栗原氏は「審判の判定がすべてで、正直答えはない」と、冷静に振り返っていた。

[プロフィール]
栗原勇蔵(くりはら・ゆうぞう)/1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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