FC東京のベテラン長友佑都が感嘆、川崎DF山根視来の「勉強になる」プレーとは?
【“金J” 開幕戦・多摩川クラシコ対談・前編】タイプが違うお互いのサイドバック像とは
2022年のJリーグが、いよいよ2月18日に開幕する。今回で5シーズン連続となる「金J」での開幕になるが、そのオープニングマッチを飾るのは、3連覇を目指す川崎フロンターレとアルベル新監督を迎えたFC東京による「多摩川クラシコ」だ。
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この大一番に向けて、「FOOTBALL ZONE」は、「DAZN Jリーグ推進委員会」の開幕企画で、川崎の山根視来、FC東京の長友佑都の特別対談を実施。ともにカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選を戦っている日本代表にも選出されているサイドバックによる攻防は、ゲームの行方を左右すること間違いなし。今シーズンのJ1で、最初の白星を目指す両クラブのキーマンによる対談は、両クラブだけでなく、Jリーグや日本代表のファンにとっても、必見の内容となっている。(取材・文=河合 拓/全3回の1回目)
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――まずJリーグの話の前に、日本代表の話を聞かせてください。2人は、1月、2月に行われたカタールW杯アジア最終予選の中国戦(2-0)、サウジアラビア戦(2-0)の日本代表に招集されていました。今回、DF吉田麻也選手、DF冨安健洋選手が不在のなか、日本は2試合とも完封勝利を収めています。山根選手も11月の試合の際には酒井宏樹選手の穴を埋める活躍を見せました。日本代表の選手層が厚くなっている印象を受けたのですが、今回の連戦でどのような印象を持ちましたか?
山根 代表をずっと支えてきた選手たちがいない時でも、強い相手に対して、堂々と勝利に導くパフォーマンスを示せる選手がいることは、分かっていた部分もありましたし、自分の自信にもなりました。ただ、同時に細かいところを見ていくと、まだまだ自分には足りないところがあるな、まだまだ壁は高いなと感じました。
長友 今の日本代表の選手層は、かなり上がってきているなと思います。前線は以前からもレギュラー争いがすごいですが、中盤とディフェンスラインも充実しています。特に今回はCBの2人がいないなかで、(谷口)彰悟と(板倉)滉が素晴らしいパフォーマンスを見せていました。右SBも、(酒井)宏樹と(山根)視来で良い争いをしています。左にも(中山)雄太がいて、すごく良い争いができていますね。
――今回の活動期間中には、紅白戦も行われて2人がマッチアップする機会もあったと思います。左右の違いはありますが、同じサイドバックの選手として、お互いをどう見ていて、対峙する時はどのように警戒しましたか?
山根 佑都くんは、やっぱりアップダウンの量がすごい。ちょっとでも前線でタメができると、良いタイミングで上がってきて、クロスを上げきるところまで行きます。そこは絶対に付いて行かないといけません。あとは、後ろから盛り上げる声もそうですし、前線がプレッシャーに行った時のスライドの速さ、寄せの詰める距離でも、Jリーグではなかなかない距離まで詰めてきます。そうしたことは、一緒にやっていて「ここまで行かないといけないんだ」と、勉強になりますし、もっともっとやらないといけないんだといつも思えています。世界トップレベルの基準を示してくれる選手がいることは、すごくありがたいですし、「もっともっと上に行ける」と思わせてもらっています。
長友 僕も、視来とはタイプが違うので、ポゼッションやボールを良い形でつないでいけるところは、勉強になっています。視来と対峙すると、ハマりそうでも、ハマらない。一番、怖いところを見ながらボールを持てるのは、特長でもありますし、特に攻撃の部分の連動や活性化は、非常に勉強になるなと思って見ています。選択肢を多く持っていれば多いほど、守りにくくなりますが、視来は本当に選択肢が多い。フロンターレはレベルの高いサッカーをしていますが、SBが良くないと、ああいうしっかりつなぐプレーはできません。フロンターレの強さは、視来のプレーが物語っているなと思いますね。