【J1全クラブ最新布陣】神戸が悲願のリーグ初制覇へ“豪華陣容” 柏の前線は大幅変化、FC東京の大型ルーキー松木に出番は?

FC東京FWディエゴ・オリヴェイラ、神戸DF槙野智章、柏FW武藤雄樹【写真:(C) VISSEL KOBE & Getty Images】
FC東京FWディエゴ・オリヴェイラ、神戸DF槙野智章、柏FW武藤雄樹【写真:(C) VISSEL KOBE & Getty Images】

【識者コラム|Part3】神戸、FC東京、柏の新シーズン補強動向&最新予想布陣を紹介

 J1の各クラブは、2022年シーズンに向けて新たな陣容でスタートを切る。このオフを経て、昨季からどう生まれ変わったのか。補強動向を踏まえながら、Part3ではヴィッセル神戸、FC東京、柏レイソルの新シーズン予想陣容を紹介する。

■ヴィッセル神戸/昨季成績
J1リーグ:3位(勝ち点73/21勝10分7敗)
ルヴァン杯:プレーオフステージ敗退
天皇杯:4回戦敗退

【今オフ補強動向】
 リーグ戦とプレーオフからスタートするAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に向けて、非常に手堅い補強をした。目玉はDF槙野智章(←浦和レッズ)で、DFトーマス・フェルマーレン(現役引退)が抜けたセンターバック(CB)の穴を埋めるだけでなく、チームの雰囲気をさらに良くする存在としても期待される。

 MF扇原貴宏(←横浜F・マリノス)も計算が立つ戦力で、中盤からの展開力とボール奪取力の両方をもたらすはず。MF汰木康也(←浦和レッズ)はドリブルからのクロスというシンプルに強力な武器があり、FW大迫勇也やFW武藤嘉紀の得点力をさらに引き上げる期待がある。浦和ではオフ・ザ・ボールの動きも磨いており、サイドからゴール前に顔を出すプレーは要チェックだ。

 さらに大迫や武藤、FWリンコンともタイプの異なるFW藤本憲明が清水エスパルスからレンタルバックしたのは心強い。実績のあるビッグネームばかり注目されるが、CBはユースから昇格のDF尾崎優成が先輩のDF小林友希とともに、どこまで突き上げられるか。GKもアカデミー出身の坪井湧也(←中央大)が加わった。ビルドアップ能力が高い未来の守護神候補も、実質4番手から序列を上げていく必要はあるが、ポテンシャル的には早期の出場チャンスが巡ってきてきてもおかしくない。

■主な獲得選手
【Pos./選手名/前所属】
FW 藤本憲明 清水エスパルス
MF 汰木康也 浦和レッズ
MF 扇原貴宏 横浜F・マリノス
DF 槙野智章 浦和レッズ
GK 坪井湧也 中央大

■主な放出選手
【Pos./選手名/移籍先】
FW ドウグラス 柏レイソル
FW 田中順也 FC岐阜
MF 櫻井辰徳 徳島ヴォルティス※レンタル
DF トーマス・フェルマーレン 引退
GK 伊藤元太 ザスパクサツ群馬※レンタル

【22年シーズン陣容の注目ポイント】
 リーグ優勝してもおかしくない陣容で、そこが最大の目標になるはずだが、三浦淳宏監督がどうタレントを組み合わせて、チーム力にしていけるか。ACLで本大会に勝ち上がれば、ベスト4で敗退した2年前のリベンジに向けて、モチベーション高く臨んでいくことになるはずだ。

 セントラル形式の大会でもそれなりの体力を割くので、前後の過密日程も含めてリーグ戦の難しさは増すだろう。システムは4-4-2がベースになるが、三浦監督はあまり特定の形に執着しない傾向があり、選手の調子や成長を見ながらフレキシブルに戦う可能性もある。

 フェルマーレンがいなくなった最終ラインは3バックも視野に入れそうだが、4バックのまま左サイドバック(SB)をDF酒井高徳、右SBへDF山川哲史を起用することで強度が上がり、中盤から前線を機能させる効果も期待できる。

 昨夏に加入し、それなりの結果を出した大迫と武藤が、新シーズンではどれだけチームの力となれるか。同じくアタッカー陣では、昨季は本領を発揮し切れなかったFWボージャン・クルキッチやリンコンも真価が問われるシーズンとなる。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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