なでしこJ、アジア杯ライバル国分析 最大の強敵は五輪4強国、英国人監督の宿敵・韓国も脅威に

同グループの韓国は着実に強化、アメリカと親善試合でドロー

 日本と同グループに入った韓国(同18位)も侮れない。現役時代にイングランド代表で活躍したコリン・ベル監督を招聘。韓国女子サッカー史上初の外国人(イングランド人)監督を迎え、着実に力をつけてきた。東京五輪予選では中国の前に敗退したが、ホーム&アウェーで同点後、延長戦までもつれる死闘の末だった。その後は、五輪出場国と親善試合を重ね、ベストメンバーのアメリカと敵地に乗り込んでの2連戦では初戦で引き分け(2戦目は大敗)ている。

 これらの親善試合にチェルシーのMFチ・ソヨン、トッテナムのMFチョ・ソヒョンら欧州組を招集。今大会への準備を入念に取り組んでおり、MFチャン・スルギ、DFホン・ヘジら過去にINAC神戸レオネッサでプレーし、日本のサッカーを知る選手たちが、主力に成長している。

 今大会は女子W杯予選を兼ねており、開催国のオーストラリアを除く5チームが本大会行きのチケットを手に入れる(そのほか2チームが大陸間プレーオフ進出)。上記のチームは、順当なら予選を突破するだろうが、それ以外は激戦だ。

 中国の入ったグループAは、五輪予選でタイを下した越後和男監督率いるチャイニーズタイペイ(同39位)と、開催国のインド(同55位)が激しい争いを演じそう。予選ラウンドで前回開催国のヨルダンを同勝ち点からPK戦で下し、本大会にエントリーしたイラン(同70位)が、これにどう絡んで来るか。

 オーストラリアの入ったグループBでは、フランス大会に出場したタイ(同38位)が岡本三代監督の指揮下で女子W杯連続出場を目指す。WEリーグ所属のMFサリナ・ボールデン(ちふれASエルフェン埼玉)、FWクインリー・クエザダ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)擁するフィリピン(同64位)、そしてインドネシア(同94位)から勝ち点3を奪いたい。

 東京五輪最終予選まで進んだベトナム(同32位)と、進境著しいミャンマー(47位)は、日韓両国の入った死のグループCに組み込まれた。日本、韓国との実力差を考えると、両国のグループリーグ突破は至難の業と言えるだろう。

(西森 彰 / Akira Nishimori)



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