香川真司のシント=トロイデン移籍「世紀の取引か、メルカート詐欺か」 海外見解「時間が必要」

シント=トロイデンが香川真司と基本合意【写真:Getty Images】
シント=トロイデンが香川真司と基本合意【写真:Getty Images】

シント=トロイデンへの加入が基本合意、32歳日本人アタッカーの移籍へ海外注目

 元日本代表MF香川真司は、ベルギー1部シント=トロイデンへの加入が基本合意したと1月10日に発表された。ベルギーメディア「SPORT」では、この件について「世紀の取引か、メルカート詐欺か」と状況を報じている。

 現在32歳の香川は2010年にセレッソ大阪からドルトムントに移籍。ユルゲン・クロップ監督の下、加入1年目の10-11シーズンにチームのブンデスリーガ制覇に貢献すると、翌11-12シーズンにはリーグ連覇を経験した。12年夏にはマンチェスター・ユナイテッドへ移籍したが、14年にドルトムントへ復帰。その後はトルコのベシクタシュ、スペインのレアル・サラゴサ、PAOKを渡り歩き、無所属となっていた。

 レポートはこの香川の状況について「32歳になった香川が再び本格的なサッカー選手になるには、時間が必要なのは確かだ。1年半で4試合分(401分)出場した選手に何を期待できるのか。当面は、それほどでもない」とした。

 ベルギーの1部リーグを「過去にはサッカー界のビッグネームが、キャリアの低迷期に立ち直るために参加したこともあった」とするレポートでは、最も顕著な例を元フランス代表MFサミル・ナスリとした。ナスリはドーピング違反による出場停止など苦境にある時期、マンチェスター・シティ時代のチームメイトである元ベルギー代表DFバンサン・コンパニが監督を務めるアンデルレヒトに加入したことがあった。香川のシント=トロイデン加入も、これに類するものと見ている。

 一方で、香川加入をクラブの利益という観点から「しかし、シント=トロイデンを日本サッカーから欧州市場へのゲートウェイとして存続させたいクラブオーナーにとって、この移籍は理にかなったもの」という見方をしている。

「香川の加入は、ピッチに足を踏み入れる前からすでにシント=トロイデンにとって有益なことだ。2017年から日本国旗を掲げ、日本の新進気鋭のサッカー選手たちの中継点になっている。4年間で冨安健洋(アーセナル)、鎌田大地(フランクフルト)と多くの日本人選手を獲得し、成功を収めてきた。香川は母国で大きな評価を受けている。前回のロシア・ワールドカップでは、日本代表の背番号10を着用した。彼の加入により、シント=トロイデンの試合会場で日本人ジャーナリストの存在感がさらに増すことになる。そして事実上、シント=トロイデンが日本で輝くための手助けをすることになる」

 ドルトムント時代の欧州を震撼させたプレーと輝かしい実績を持つ香川だが、現地メディアでは現時点でのプレーに懐疑的な見方が示され、むしろマーケティング的な価値の大きさがクローズアップされている。レポートにあるように日本で注目を集めることは事実だろうが、そこから香川自身が健在ぶりをプレーでアピールできるかどうかが、この加入劇全体に対する評価の分かれ目になりそうだ。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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