元日本代表FW大黒将志、中国サッカーに感じた可能性とJリーグとのリアルな差

中国はフィジカルが優れている反面、頭を使うプレーを大黒氏は課題に挙げる【写真:Football ZONE web】
中国はフィジカルが優れている反面、頭を使うプレーを大黒氏は課題に挙げる【写真:Football ZONE web】

中国サッカーに足りないのは「頭を使ってサッカーをすること」

――仲の良かった杭州緑城のチームメイトは誰でしょうか?

「私の性格もあり、みんなと仲が良かったですね。例えば石柯(シ・ケ/現・中国1部山東泰山)とか。彼はその後、中国代表にも入っていましたよね? ほかにも王林(ワン・リン/現・成都リーグにてプレー)や、韓国代表の金東進(キム・ドンジン/現・香港KitcheeSCコーチ)ともご飯に行ったり。汪嵩(オウ・スウ/現・中国3部河北功夫)もそうですし、みんなと良い関係でした」

――杭州緑城のサポーターたちに話を聞いてきましたが、特に2013年8月の上海申花戦での終了間際のゴールが印象に残っているようです。この得点によってライバルチームへ勝利できたので、今でも感謝している人が多いと聞きます。

「実はこの得点には裏の話があり、当時私がピッチ横でウォーミングアップをしている際に相手サポーターから『日本人帰れ!』などの野次を激しく飛ばされていました。なので絶対に点を取り、アイツらを黙らせると燃えていました。ゴール映像を見ると分かると思いますが、得点後は冷静なフリをしてチームメイトと喜んでいますが、心の中では『見たか!』としてやったりの気持ちでした(笑)」

――シーズン通して中国リーグで戦われますが、Jリーグとの違いは感じましたか?

「やはり、全体的に選手たちのフィジカルは優れていると感じました。選手の気質もそうですし、Jリーグより身体が強い選手が多かったです。しかし、逆に頭を使う選手が少なかったです。なので、私は頭を使い、いかにフリーになるか、それで点を決めていました。私も現在はユース年代に指導していますが、とにかく頭を使ってサッカーをすること。その部分が特に中国サッカーに足りていない部分だと感じました」

――身体能力は十分だが、もっと頭を使ってサッカーをする、と。

「東京オリンピッックの陸上男子100メートルでも中国の蘇炳添(ソ・ヘイテン)選手が9.83秒のとんでもない記録を出したと思います。それからも分かるとおり、中国人選手の身体能力は申し分ないです。あとはそこに頭を使うこと。それをユース年代から教えれば、中国サッカーは発展してくると思います。指導者の部分がポイントです」

(中国での私生活編に続く)

[プロフィール]
大黒将志(おおぐろ・まさし)/1980年5月4日生まれ、大阪府出身。ガンバ大阪ユース―ガンバ大阪―札幌―ガンバ大阪―グルノーブル(フランス)―トリノ(イタリア)―東京V―横浜FC―FC東京―横浜FM―杭州緑城(中国)―京都―山形―京都―栃木。2005年、W杯アジア最終予選の北朝鮮戦で後半アディショナルタイムに値千金の決勝ゴールを挙げ、一躍ヒーローに。公式戦通算222ゴールを積み上げた卓越した得点嗅覚を生かし、2021年1月に現役を引退して、ガンバ大阪アカデミーのストライカーコーチに就任。

[著者プロフィール]
久保田嶺(くぼた・れい)/1991年生まれ、埼玉県出身。中国最大のサッカーメディア「懂球帝」にて、日本人初の公認アカウントとして活動をしている。

(久保田嶺 / Rei Kubota)



久保田嶺

1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。

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