福西崇史氏が絶賛するFC東京MFの“超絶プレー”とは? 「みんなを楽しませてくれる」
10月「月間ベストアグレッシブプレーヤー」にFC東京MF髙萩洋次郎を選出
「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各月ごとに各部門の表彰を実施している。「Football ZONE web」では、現役時代に強靭なフィジカルと戦術眼を武器に日本代表としても活躍した福西崇史氏に、その月に最もアグレッシブなプレーを見せた選手を選出してもらっている。
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福西氏が10月の「月間ベストアグレッシブプレーヤー」に選出したのは、FC東京の中盤で活躍を続けているMF髙萩洋次郎だ。今年8月に35歳となったベテランは、トップ下の位置で強度の高いプレーを見せながらも、効果的に遊び心のあるプレーも散りばめる。
リーグ戦で苦しい戦いが続くFC東京だが、福西氏は自身の古巣がJ1王者となる川崎フロンターレと対戦した第31節の試合で、髙萩氏が見せたファンタジーあふれるプレーに注目した。対談で福西氏は、リーグ最少失点を誇る川崎守備陣を慌てさせたプレーが、なぜできたのか。さらに、そのプレーから、普段からどのような意図を持ってプレーしているのかを聞き出している。(取材・構成=Football ZONE web編集部)
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福西 早速ですが、今回「ベストアグレッシブプレーヤー」に選出させていただくきっかけとなった、川崎戦の前半33分のシーンを見てください。髙萩選手がアダイウトン選手からパスを受けて、2人のディフェンダーに囲まれながらも、リターンパスを通したシーンです。いつも髙萩選手のプレーは、アイデアが面白いなと思って見せてもらっているのですが、この2人が来ていた時点で、どういうことを考えていましたか?
髙萩 えっと、「どうしようかな」というのが本音です(笑)。
福西 外には、長友佑都選手が来ている状態でしたが、もちろんそこは見えていましたか?
髙萩 はい。時間を作って、長友選手に追い越してもらう考えはもちろんありましたが、この時に背中にスペースがあることも、分かっていましたが、うしろを使うイメージはありませんでした。アダイウトン選手から、声を出して呼ばれたので、「あのスペースにパスが通ればいいかな」という感じでした。
福西 すごくトリッキーというか、面白いというか、こういうアイデアのあるプレーは見ている人も好きだと思うのですが、このプレーもゴールに入っていてもおかしくないチャンスになりました。相手からすれば、取りどころまで追い込んだなかで、打開されているので心の折れ具合も大きかったと思いますが、そういうところまで意識していますか?
髙萩 基本的には、その時にひらめいたプレーを選択しています。あとは、常に「ピンチはチャンス」じゃないですけど、相手から取れるとか、奪えるとかっていう時は、逆にチャンスだとは思っています。むしろ、ボールを奪いに来てくれたほうがありがたかったです。突っ込んできてくれるから。
福西 股を抜いていると思うのですが、自信を持って出しましたか?
髙萩 パスが通るとは思っていたのですが、ただ、正直、(股抜きは)たまたまです。
福西 万が一、相手に引っかかって、ボールを取られた時、ボールを奪われた後のことも考えていますか?
髙萩 そうですね。位置的に、ここでリスクを取るのは問題ないと思っていました。むしろ相手に当たっても、マイボールのスローインになるか、長友選手のところにこぼれるかのどちらかだと思っていました。だから、マイナスな要素、ネガティブなことは考えませんでしたね。
福西 「ピンチはチャンス」という言葉がありましたが、点を取るためにリスクを取ること、勝負することは考えていますか?
髙萩 はい。そうですね。このエリアでは、攻撃側はある程度、何をしてもいいかなと思うので。ミスをして、相手ボールになっても、切り替えてそこから守備にいけば、またチャンスにもなるので、そんなにリスクを冒すことに怖さやためらいはないですね。