英国3チームが揃い踏みのEURO16強進出 小国の躍進で漂う「UK時代」到来の予感

イングランド、ウェールズ、北アイルランド 英国勢が全て決勝T進出の快挙

 現在フランスで開催されている欧州選手権(EURO)は大会13日目を終え、決勝トーナメントへ進出する16チームが出揃った。スペイン、ドイツ、イタリアなど強豪国が順当に突破を決めた一方で、アイスランドやスロバキアなど初出場国が歴史的な勝ち抜けを達成している。そして、英国から参加している3チームもグループステージ突破を果たした。

 イングランドは1勝2分の勝ち点5と納得のいく成果は得られなかったものの、無敗でベスト16へと駒を進めることになった。参加国のなかでも最高峰と言える選手層の厚さを誇る“スリー・ライオンズ”は、試行錯誤が続くシステムとメンバーが固まりさえすれば、連携面の向上も見込め、優勝候補と呼べるだけのポテンシャルは備えている。

 ウェールズと北アイルランドはEURO初出場にして予選突破という偉業を成し遂げた。北アイルランドは勝ち点3のグループ3位とギリギリでベスト16に進出することに成功した一方、ウェールズは勝ち点6を稼いで同グループのイングランドを上回り、堂々の首位突破を成し遂げた。

 英国4協会の一つであるスコットランドは本大会出場を逃したものの、「グレート・ブリテン」を形成する3チームが決勝トーナメントに勝ち上がった。これは今大会から出場国が24カ国に増えた恩恵を受けた結果とはいえ、サッカー史に新たな1ページを書き加える偉業であることは間違いない。

 ウェールズはグループステージでイングランドとの英国対決を経験したが、ベスト16では北アイルランドとの顔合わせとなり、再び英国同士の対決が実現する。裏を返すと、初出場の両チームのどちらかがベスト8へと駒を進めるということでもあり、イングランドも格下アイスランドとの対戦であることから、準々決勝の舞台に英国から2チームが立つ可能性は高い。

 長年英国を代表してきたイングランドだけでなく、ウェールズや北アイルランドという“小国”が台頭し始めたことから、数年後のサッカー界を「UK勢」が席巻するのも、決して夢物語ではないのかもしれない。

【了】

ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング