EURO“24カ国”出場の功罪 GS最終戦まで白熱も「引き分け率30.5%」は96年大会以降で最高

グループステージ全36試合を分析 出場国拡大で増えたドローゲーム

 欧州選手権(EURO)はグループステージの全36試合が終了し、決勝トーナメント進出の16チームが出揃った。今大会の大きな特徴は、出場国が24カ国に拡大されたことだ。それによる大きな変化は、グループ3位でも通過の可能性があること。そして引き分けで終わった試合の割合が、現行の勝ち点制度となった1996年大会以降で過去最大になっている。

 ワールドカップ(W杯)では、94年のアメリカ大会までが24カ国の出場で3位通過の可能性があるフォーマットだった。そしてEUROは96年大会から16カ国の出場であり、2位までしか通過できないレギュレーションだった。そのため、リスクを背負ってでも勝利を奪いにいかなければいけない状況が、試合を動かしやすくした。しかし今大会から24カ国となり、かつてのW杯のように3位通過が復活したことは、結果的に引き分けの価値を高める結果を生んでいる。

 今大会のグループステージ36試合のうち、引き分けで終わったゲームは11試合を数えた。この割合は30.5%となり、世界的に勝ち点制度が「勝利=3点」に変更されてから行われた96年大会以降のEUROでは最大の割合になった。

 これまでで最も高い割合だったのは、96年と2004年大会の29.1%だった。そこだけを比べれば微差だが、08年大会のようにグループステージでわずか3試合しか引き分けがなく12.5%だった大会もある。96年から前回12年大会までの通算120試合中で引き分けは26試合と、その割合が21.6%であることからも、今大会では明らかに引き分けのゲームが増えている。

 

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