日本サッカーが「羨ましい」 “英雄”ケーヒルが嘆いた豪州との差「誇りに思うべき」
【インタビュー】日豪のタレント力の差を比較、母国代表のプレミア勢“ゼロ”へ言及
元オーストラリア代表の英雄FWティム・ケーヒル氏は現役時代に国際Aマッチ108試合出場50ゴールを記録したが、うち日本戦で5ゴールを奪った“日本キラー”としても有名だ。プレミアリーグ・エバートンで8年間活躍した名手は「Football ZONE web」の単独インタビューで、日本サッカー界のキーマンとしてリバプールFW南野拓実を評価。日本とオーストラリアの両国間で開いてしまったタレント力の差を嘆いている。(取材・構成=Football ZONE web編集部)
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10月12日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のホーム・オーストラリア戦で、日本は2-1で劇的な勝利を飾った。現在カタールW杯のアンバサダーを務めるケーヒル氏はカタールからこの一戦をチェックしていた。
「個人的にオーストラリア戦でも注目していたのは南野です。彼はアイコンです。世界最大のクラブの1つ、リバプールでプレーしているのですから、注目されるべき。レギュラーではありませんが、トップクラブで研鑽を積んでいるということがアジアにとっても重要なことだと思う。たとえ、常時試合に出られなくても、練習で世界最高の選手たちや監督と鍛えている。正直、私は羨ましい。なぜなら、今のオーストラリアでプレミアリーグでプレーしている選手は1人もいないのだから」
ケーヒル氏はこう語った。オーストラリア代表の日本戦招集メンバーで英国のクラブに所属している選手はハル・シティDFカラム・エルダーら5人だったが、いずれもプレミアリーグではなかった。
「以前はビドュカ、キューウェル、エマートン、ブレッシャーノ……、ビッグクラブでプレーしている多くのタレントがオーストラリアにはいました。現在のオーストラリア代表とあの当時のチームを比較することはできません。あえて言葉にする必要もないぐらいです」
ケーヒル氏が2006年W杯ドイツ大会のグループリーグ初戦の日本戦で途中出場から2ゴールを記録した当時のオーストラリア代表はまさに黄金時代だった。リバプールMFハリー・キューウェルら、欧州のトップでプレーする実力者がチームの大半だった。エバートンで活躍したケーヒル氏にとってはマージーサイド・ダービーで戦う宿敵ながら、リバプールでプレーする南野の存在は、プレミア勢ゼロというオーストラリア代表の現状と比較して羨ましく映っているようだ。