伝説の「日本キラー」は今? 多彩な第二の人生「現役時代よりも充実」 異名は「名誉」

元オーストラリア代表FWティム・ケーヒル氏【写真提供:カタールシュプリームコミッティ】
元オーストラリア代表FWティム・ケーヒル氏【写真提供:カタールシュプリームコミッティ】

【元プロサッカー選手の転身録】W杯アンバサダーを務め、カタール育成施設の責任者に

 元オーストラリア代表FWティム・ケーヒル氏は現役時代にプレミアリーグ・エバートンなどで活躍。国際Aマッチ108試合出場50ゴールを記録したが、うち5ゴールは日本代表から奪ったことでも有名だ。2018年に現役引退した名手は今、どんなセカンドキャリアを過ごしているのだろうか――。「日本キラー」が「Football ZONE web」の取材に応じ、現役時代を凌ぐほどの多彩な第二の人生について語ってくれた。(取材・構成=Football ZONE web編集部)

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 ケーヒル氏が日本のサッカーファンの記憶に強く刻み込まれたのは、2006年ドイツ・ワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦のジーコジャパンとの一戦だった。日本1点リードの後半途中から出場したケーヒルは、同点弾と勝ち越しゴールを決めて3-1の逆転勝利に貢献している。日本戦では、通算5ゴールを決めた「日本キラー」としても有名だ。クラブではエバートン、米MLSニューヨーク・レッドブルズ、上海申花などで活躍後、2019年3月に現役引退した。

 伝説の日本キラーは今、カタールに住んでいた。

「引退後、すぐにボストンのハーバード・ビジネススクールに入学しました。現役時代はフィットネスに関する知識、栄養学について学び続けてきたけれど、16歳でプロサッカー選手になったので、もっと高い視座から経営についても学びたかった。ハーバードではエンタメ、メディア、スポーツマネジメントについて研究しました。現在は、カタールに住んでいます。W杯アジア予選や日本に敗れたアジアカップ決勝を戦ったこの国は思い出深い。その縁もあって、魅力的なプロジェクトに誘われました。もうここに住んで、1年半になります。アスパイア・アカデミーの責任者やA代表の指導、W杯のアンバサダーも兼任しながら、忙しい日々を過ごしています。UEFAプロのコーチングライセンスも取得しました。現役時代よりも充実しているかもしれませんね」

 ケーヒル氏は二足以上の草鞋を履く日々を笑顔で振り返ってくれた。引退後に米最高峰の経営大学院に入学。そして、来年に迫った2022年のW杯のアンバサダーを務める傍ら、現在はカタールのスポーツ育成施設「アスパイア・アカデミー」の責任者を兼任。タレントの育成・発掘に加え、カタールA代表とも連携し、カタールに軸足を置きながら、幅広い活動を展開している。

「様々な業務で多忙ですが、その傍ら、スポーツ外交や教育問題についても学んでいます。個人的にはサッカーに関わる全てを包括したい思いがあります。グラスルーツ、育成年代、A代表の指導、経営、全てを学びながら進めているところです」

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