ベルギーに1.5倍のシュートを許すも枠内率は33.3% 快勝劇で光った“堅守”イタリアの伝統 

手堅かったユベントス勢で固めた守備陣

 先発のうち7名の選手がプレミアリーグでプレーするベルギー代表に対して、イタリア代表はMFダルミアンとFWのペッレの2名のみがプレミアでプレーし、残り9名はセリアAの選手で固めた。特にGKとDFラインは全員がユベントスという布陣だ。

 まずはシュートに関するデータだが、ここでは攻撃的な面と同様、守備における傾向も浮かび上がってきているのが面白い。

 image2

 シュート数そのものは、ベルギーが18本と12本のイタリアの1.5倍の本数を打っているが、その精度(「シュート」から「ブロックされたシュート」を引いた数に対する「枠内シュート」の割合)はイタリアの66.7%に対してベルギーは33.3%と半分だった。ベルギーの最近の特徴として、その優れた育成システムがあると前述した。若年層からの育成システムが機能する時、シュート等のベーシックな技術力は上がることが多い。しかし、このデータを見る限り、ベルギーのシュート技術はイタリアよりも劣っていたことになる。ブロックされたシュート数を見ると、ベルギーの9本に対してイタリアは3本だけだ。ユベントス勢で固めたバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニの最終ラインの相手シュートに対する執拗な守備の結果、相手に楽な状況でシュートを打たせないというイタリアの伝統的な高い守備意識が、プレミアでプレーする選手で固めたベルギーのシュート精度を大きく下げたのだろう。

 さらにペナルティエリアの内側からのシュート数を見ても、ベルギーはわずか5本(シュート数全体の28%)だけだった。イタリアはチームとして、相手に危険な地域への侵入機会を減らすことにも成功していたようだ。

 

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング