国際審判員・佐藤隆治氏が見た“日本と海外の違い” 欧州レフェリーの凄さとは?

(写真はイメージです)【写真:高橋 学】
(写真はイメージです)【写真:高橋 学】

佐藤隆治主審、日本と欧州主審の違いに言及

 日本サッカー協会(JFA)は、パーソルグループと共同製作したインタビュー動画「サッカー審判員としてはたらく」をパーソルグループのYouTubeチャンネルで公開。国際審判員である佐藤隆治主審は、日本人の特徴を踏まえたうえで、ヨーロッパのレフェリーから感じられる上手さを明かしている。

 JFAとパーソルグループが共同製作したインタビュー動画は6つ公開され、審判員の「複業」の苦労や、女性審判員として働くことについてなど、各テーマに沿ってさまざまな審判員が登場。人と組織に関わる多様なサービスを提供するパーソルグループの視点で掘り下げた内容となっている。

 Jリーグだけでなく海外の試合も裁く国際審判員である佐藤主審は、「なぜ海外で笛を吹く? 外国人と会話できるの? JFA国際審判員の“はたらく”」というテーマで登場。「まずはJリーグのピッチに立ちたかった」というきかっけで、審判員の世界に入ったという佐藤主審。2009年に国際審判員となり、海外でも数々の試合を裁くようになったなかで、日本人の良さをこう指摘する。

「日本の良さって、勤勉さや正確さ。『どこから来たの?』『日本から来た』というと、トヨタ、日産、シチズン、セイコーとか、精密機械と呼ばれるものがイコール。日本人ってすごく正確にするというところは突出していると思います。

 たとえば1試合でファウルか、ファウルじゃないかを見極めるのって100個以上あると思うんですね。それを全部きちんとやろうとするのがたぶん日本人なんです。日本人の場合主審はそうだし、周りの選手もそうだと思います。ベンチのスタッフもメディアもサポーターも。どこの判定がというより全部正しい、正しくないの正しさのところに重きを置く。他の国に比べたらすごく高いと思います」

 一方で、そうした正確さを追求することは、必ずしも良い評価へつながるわけでもないという。「それってある意味大事なことではあるんだけれども、外国・海外で気づくのは、それでも優先順位、これは絶対に落としちゃダメでしょとか、そこさえきちんと落とさなければ、あとちょこっと多少(差異)があってもあまりそこは話題に出ない」

 レフェリーの観点で言えば、99個の判定が合っていても、1個の大きなミスを犯してしまえば「僕らって終わっちゃう」と、佐藤主審は言う。重要なジャッジを見落とさなければ、それ以外に何かを見落としていたとしてもあまり大きな話題にならないのが、海外における審判ジャッジへの評価のようだ。

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