「高度な技だった」 鹿島DF犬飼を栗原氏が絶賛、“得点力向上”の要因とは?
【月間表彰】8月の「月間ベストディフェンシブプレーヤー」に湘南戦で2ゴールの鹿島DF犬飼智也を選出
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表DFとして活躍した栗原勇蔵氏は8月のJリーグ「月間ベストディフェンシブプレーヤー」に鹿島アントラーズのDF犬飼智也を選出した。「この1試合だけでも選ぶ価値があった」と評価したのが、8月9日に行われた第23節の湘南ベルマーレ戦。1点を追う展開から強烈なミドルシュートで同点に追いつくと、終了間際にはCKから逆転ゴールを決めてチームを勝利に導いている。
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「めちゃくちゃいいシュートだった」。栗原氏がそう評したゴールシーンは、湘南戦の前半29分、チーム全体で相手陣地に押し込んでいた時に生まれた。右サイドのMF三竿健斗が横パスをゴールほぼ正面にいた犬飼に送る。すると犬飼は、GK谷晃生の位置を確認して右足を振り抜いた。
「ここでまず、シュートを打つという選択肢があるということ自体、自信がないとできないことです。たぶん、練習から蹴っているんだろうなというのは容易に想像できます。それが、見事に無回転の凄いシュートになって決まった」
最終的にGK谷に当たってゴールインしたものの、このゴールは1点を追いかけていた鹿島にとっては大きな意味を持つと言う。
「普通はこの位置でセンターバックがボールを持つと、パスの選択肢だろうって思うものだから、これを打つことによって相手は、次はラインを上げてくるだろうし、犬飼選手にボールが入ったらもっとプレッシャーに行かないといけなくなってくる。逆に鹿島は、それによって攻撃のバリエーションが増える」
さらに湘南が1点をリードしており、ある程度ブロックを作って守っていた状況でのシュートに「来るとは思っていなかったシュートが来て、さらにそれが決まったことで『まじかよ、それ入るのかよ』って結構落ち込んだと思う」と精神的なダメージを与えることにも成功したのではないか、と語った。
また終了間際にも犬飼はMF遠藤康のCKを頭で合わせてゴールを決めたが、「見た目以上に結構難しい」と栗原氏は指摘。「ゴール前にもエヴェラウドがいてゴールが結構見えづらいと思うし、そのうえでブロックされている相手選手から体というか、頭を出してちょっと触ったというのはなかなかに高度な技だったと思う」と、現役時代にセットプレーから多くのゴールを奪ってきた栗原氏ならではの視点で解説した。
この日、センターバックながら1試合で2得点を決めてチームを逆転勝利に導いた犬飼。栗原氏は、「この日はもう犬飼選手の日だったんだなって思うような展開でした。センターバックで1試合で2得点、しかもその2点で逆転勝利というのはサッカー人生でもなかなかないことだし、この1試合だけを見ても犬飼選手をベストディフェンシブプレーヤーに選出する価値はあったと思います」と選出理由を語った。