「ヒーローになってこい」 GK谷晃生の背中を押した“PK職人”川口能活コーチの言葉

安定したセービングでチームを支えたGK谷晃生【写真:AP】
安定したセービングでチームを支えたGK谷晃生【写真:AP】

PK戦で2人目のシュートをセーブ「お前の判断で自信を持てば止められると…」

 U-24日本代表GK谷晃生は、31日に行われた東京五輪サッカー男子の準々決勝ニュージーランド戦で、120分を0-0で終えて突入したPK戦でファインセーブを見せ、チームを準決勝進出に導いた。そのPK戦の前には、現役時代に日本代表として数々の修羅場をくぐった川口能活コーチに「ヒーローになってこいと言われた」と、背中を押されたことを明かしている。

 ガンバ大阪の下部組織で育ち2018年にトップ昇格した谷は、20年から湘南ベルマーレへ期限付き移籍して出場機会を重ねている。東京五輪世代のチームでは、サンフレッチェ広島のGK大迫敬介らとポジションを争いつつも高め合ってきた。

 そして、この本大会で森保一監督が正GKに選択したのが谷だった。グループリーグのメキシコ戦(2-1)ではサイドからのFKで判断ミスがあり、失点という場面もあった。それでも、このニュージーランド戦では体格に優れた選手へのクロスを多用した相手の攻撃に対し、飛び出しの判断もプレーも安定感があった。

 チームはゴールを奪えずに延長戦を含めた120分が経過。PK戦に入ることが決まった時、谷に言葉をかけたのは川口コーチだった。現役時代には1996年アトランタ五輪に出場し、ワールドカップ(W杯)にも出場。2006年ドイツ大会ではクロアチア戦でPKをストップし、他にも2004年や2007年のアジアカップで何度もPK戦勝利に導いてきた“PK職人”の顔も持つ大先輩だ。

 谷はその時の状況を「相手のキッカーの情報など紙に書いてバーッと見ていたけど、覚えきれないというか」と苦笑したが、川口コーチから「お前の判断で自信を持てば止められる、ヒーローになってこいと言われた」と、その舞台裏を明かした。

 そして谷は相手2人目のDFリベラト・カカーチェのキックを完全に読んでストップし、「ばっちりタイミングもあったし、良かったと思う」と笑顔。そのプレッシャーもあってか相手の3人目は枠外に外し、日本は4人全員が決めて勝利した。

 次戦は優勝候補の筆頭とも言えるスペインを相手に準決勝を戦う。スペインも同じ日の準々決勝でコートジボワールを相手に延長戦の激闘の末に5-2の勝利と、体力的な苦しさを抱える条件は同じになる。地元開催の五輪で4強に導いた守護神は、「もちろん難しいゲームになると思うけど、しっかり仕事をしてチームを勝利に導けるように今日から切り替えて最善の準備をしたい」と、その戦いを見据えた。

(Football ZONE web編集部)


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