日韓20歳“天才”、五輪初戦の「明暗」に韓国メディア注目 「久保が先に名を轟かせた」

日本代表MF久保建英と韓国代表MFイ・ガンイン(写真は2021年3月のもの)【写真:Getty Images】
日本代表MF久保建英と韓国代表MFイ・ガンイン(写真は2021年3月のもの)【写真:Getty Images】

決勝ゴールの久保と不発のイ・ガンイン、韓国メディアが初戦のプレーを比較

「韓国と日本を代表する有望株、イ・ガンイン(バレンシア)と久保建英(レアル・マドリード)の2020年東京五輪初戦の活躍に明暗が分かれた」

 22日に各地で行われた東京五輪サッカー男子のグループリーグ初戦での日本と韓国の結果を受け、韓国のサッカー専門サイト「フットボリスト」は冒頭からこう伝えた。

 グループA初戦で日本は南アフリカと対戦し、MF久保が後半26分に左足でゴールを決めて1-0で勝利。グループBの韓国は相手の堅守を最後まで崩せず、ニュージーランドに0-1で敗れた。

「フットボリスト」は、同じ2001年生まれの久保とイ・ガンインのプレーを比較。イ・ガンインについては「2019年U-20ワールドカップで活躍したイ・ガンインは中盤で先発出場。鋭い動きとパスで攻守に貢献し、精度の高いキックも見せた。ただ、頻度が高くなかった。イ・ガンインだけでなく、韓国の攻撃陣全体が、5バックに近い3バックを駆使したニュージーランドの守備に阻まれ、これといったチャンスを作れなかった。結局、後半14分にイ・ガンインはイ・ドンギョン(蔚山現代)と交代し、試合を終えた」と伝えた。

 一方、久保については「イ・ガンインと違い、最後までピッチに残った久保は後半26分にチームを救う得点を決めた。ペナルティーエリア右側からカットインし、ゴール左隅を狙ってゴールした」と伝えている。そのうえで、「ともにスペインのクラブチーム所属で、利き足は左で、ポジションも似ている。共通点が多い2人が五輪に出場することになったが、初戦では久保が最初に笑った」と久保に軍配が上がったと報じている。

 また、一般紙「朝鮮日報」も「韓日サッカーの未来として名を馳せる2人だが、久保が先に名を轟かせた。久保の一発が勝負の明暗を分けた。2人の天才の初戦は久保の勝利に終わった」と、対照的なプレーと結果を比較している。

 日本は勝ち点3でグループリーグ突破に向けて好発進したが、韓国は格下と思われていたニュージーランドに敗れたことで、次のルーマニア戦での勝利が必須となった。久保の陰に隠れるイ・ガンインだが、グループリーグ突破に導く活躍を期待したいものだ。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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