「チーム一丸、熊本一丸となって戦う」 元日本代表FW巻がJ2熊本の震災後初の公式戦で男泣き

古巣・千葉戦で奮闘も0-2敗戦 被災地に勝利を届けられず

 熊本地震の影響で5試合が延期となっていたロアッソ熊本は、14日のJ2リーグ第13節ジェフユナイテッド千葉戦で、約1カ月ぶりとなる公式戦に臨んだ。熊本県出身の元日本代表FW巻誠一郎は古巣の千葉との一戦に先発出場し、後半38分の交代まで攻守に奮闘を見せた。試合後のインタビューでは男泣きしながら、「熊本一丸となって戦いたいと思います」と誓った。

 4月14日の地震発生以降、巻は避難所の支援物資運搬などのボランティア活動を続けた。また復興支援サイト「YOUR ACTION KUMAMOTO」を立ち上げるなど、プロサッカー選手としてのトレーニングと並行して故郷の復旧復興に尽力している。試合前にはこう話していた。

「地震から長い1カ月でしたけど、こうやってサッカーができる環境を与えてくださった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。最後まであきらめずにボールを追い続けて、ゴールを目指す。そういう姿勢を熊本の皆さんに見せたいですし、勇気を与えたいと思います」

 清川浩行監督は35歳のベテランストライカーの経験値を重要視し、巻をスターティングメンバーに起用した。かつてイビチャ・オシム監督の下で奮闘した古巣・千葉の本拠地フクダ電子アリーナで、巻はキックオフ直後からロングボールを競り合い続けた。

 同28分には空中戦の競り合いで相手DFのひじが入り、ピッチに倒れる場面もあった。しかし不屈の闘志を持つFWはプレーに復帰。その後は自陣で守勢に回るチームを助ける守備など、持ち前の献身性を発揮した。

 

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