イニエスタが“異次元の凄み”も…神戸に生じた微妙なズレ 川崎の独走優勝にダメ押し？
こういう試合を落としていてはリーグ制覇はない
神戸の三浦淳寛監督は、この2失点について「明らかに気持ちが緩い」とフラストレーションを露にしたが、実際にこういう試合を落としていてはリーグ制覇はない。せっかくイニエスタが本格復帰した神戸だが、この後は現有戦力のハーモニーを高めて来季のACL出場を目指すのが現実的な目標となりそうだ。
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対照的に首位を独走する川崎は、当面のライバル名古屋グランパスに連勝した後に、鬼木達監督が「このまま突き抜けていきたい」と珍しく強気のコメントをしたが、その言葉とは裏腹に堅実だ。だが、それがいかに難しいかは、最終戦で優勝を決めたアトレティコ・マドリードが、降格したバジャドリードに苦しめられたリーガ・エスパニョーラを見てもよく分かる。もし五輪以降に川崎のチーム状況に変化が生まれても、現況を見る限り一気に差を詰められることはなさそうだ。川崎が勝ち切れなくなったとしても負け難いことは変わらない。また、追走する2位以下が星を潰し合う展開にも、大きな変化は生まれそうもない。
加部 究
かべ・きわむ／1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』（竹書房）を上梓。『日本サッカー戦記～青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』（いずれもカンゼン）、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』（ともに双葉社）、『祝祭』（小学館文庫）など著書多数。
