登録18人のリオ五輪で重要な”万能性”の輝き 有力候補に躍り出た手倉森Jの「代役10番」

ガーナ戦で2ゴールの矢島 サイドハーフとボランチでプレー

 ユーティリティー性と勝負強さを持つU-23日本代表MF矢島慎也(岡山)が、輝きを見せたゲームだった。8日の国際親善試合ガーナ戦で、U-23日本代表は3-0の勝利を収めた。前半11分と15分に立て続けにゴールを奪い、試合の行方を決定づけたのが矢島だった。

 試合の立ち上がりから、手倉森ジャパンには「立ち上がりに勢いを持って入ったというのと、序盤で2点トントンと入って、流れをうまくつかめたかなとは思っています。前線からのプレスと、ロングボールでの大きな展開から入って、向こうの陣内でサッカーをやろうという明確な意図もあったので、それがうまくいったなという感じです」と、ゲーム序盤の流れを掴むための戦略があり、それがしっかりと機能したと振り返った。

 この日の2ゴールは、矢島の長所である多彩なキックの種類が発揮されたものだった。1点目は左サイドに転がってきたボールを「あの軌道で蹴ろうかなと思っていました」というインフロントでの巻いて落とす軌道のキックで決めた。2点目は、逆サイドからのスピードあるクロスに対して「シュート時に力を抜いて当てられたのが大きかった」という丁寧なインサイドでのボレーシュート。ボールにインパクトする瞬間に体を後ろに引き、枠外に飛ばないように勢いを少し殺す高度なテクニックだった。

 この日、CKのキッカーも何度か務めたように、その精度は大きな武器だ。それもインフロントで曲げるボールで合わせることも、インステップのストレートボールで味方の高さをシンプルに生かすボールを蹴ることもある。同じような場面でも、その状況に合わせたキックを選択できることがプレーの万能性につながっている。

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング