2連勝の森保ジャパン、3月シリーズで出た“収穫”と“課題” キーワードは「バランス」

モンゴル戦を大勝で終えた日本代表の3月シリーズを総括【写真:高橋 学】
モンゴル戦を大勝で終えた日本代表の3月シリーズを総括【写真:高橋 学】

3月シリーズは韓国に3-0で快勝、モンゴルには14-0の歴史的勝利

 森保一監督率いる日本代表は30日、アウェー扱いながら無観客のフクダ電子アリーナで行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のモンゴル戦に臨み、W杯予選での歴代最多得点記録を更新する14-0で完勝した。25日に行われた国際親善試合・韓国戦では3-0で快勝。欧州組9人、国内組は8人の初招集を含む14人が招集された3月シリーズはGKを除く全員が出場し、2連勝で締めくくった。2試合通しての課題と収穫を選手はどのように捉えているのか。

 1年4カ月ぶりに再会したW杯予選で、日本が歴史的な大勝を収めた。韓国戦から先発2人を入れ替え、欧州組8人が先発。19年のホーム戦では6-0で勝利した相手に“ベストメンバー”で臨んだ。まずは前半13分、左右に揺さぶった攻撃から中央へのパスをMF南野拓実が受けると、ゴール正面から左足で丁寧なシュートを流し込んで先制。これで南野は自身が持つW杯予選開幕からの連続ゴール記録を「5」に伸ばし、日本代表でのW杯予選歴代最多連続ゴール「7試合」のMF本田圭佑に迫る史上2人目の快挙を達成した。

 この得点を皮切りに日本のゴールラッシュとなる。同23分、吉田の縦パスを南野がスルーし、その先で受けたFW大迫勇也が反転。GKとの1対1を右足で冷静に決め追加点を奪った。前半を5-0で折り返すと、後半に入ってもまったく攻撃を緩めない。出場した攻撃陣全員がゴールを挙げ、MF守田英正、MF稲垣祥、MF古橋亨梧がA代表初得点をマーク。大迫は代表で初めてのハットトリックを達成した。

 3-0で快勝した25日の韓国戦に続く勝利。韓国戦では前半17分にDF山根視来がA代表デビュー弾を挙げ、同27分にMF鎌田大地が追加点。前半を2-0で折り返すと、後半にはMF遠藤航がダメ押し弾を決めた。13年以来8年ぶりの白星、完封は11年の親善試合(3-0)以来10年ぶりとなった。

 2試合通して活躍が目立ったのは、ボランチの新コンビだ。遠藤と守田の2人は定評のある守備力だけでなく、攻撃でのセンスも光った。遠藤は、“相棒”の守田について「ボールを持って見ている場所も良いし、点も取ったし、前に入っていくところも出せている。個人的にもやりやすかったし、守備のところでもバランスが良いと思う」と、その関係性に自信を得ていた。

 今回、海外組として招集された守田は今年からポルトガルリーグでプレー。所属するサンタ・クララでも主力として活躍している。守田は「海外移籍をしたことで見られ方は確実に変わったと思う」と、より自覚と覚悟を持って日本代表の場に来た。

「たった2カ月でも得られたものが多い。変化や成長はあると思うので、それは結果を残すことでしか評価されない。結果を残すことを大事に、アシストやゴールの数字にこだわりを強く持っていることを出すことが一番のアピール」

 その強い思いを存分に発揮し、モンゴル戦では代表初ゴールをマーク。MF柴崎岳という絶対的な存在に対抗する、今回のシリーズで一番大きな収穫だったと言えるだろう。

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