コロナ禍で消えた「ホーム・アドバンテージ」 CL16強の異変に見る“人の利”の力

東京五輪がもし無観客で開催されたら…

 それぞれのクラブには歴史があり、受け継がれてきた思いがある。スタジアムを埋める人々はその思いも選手に伝え、それがクラブの重みにもなる。選手は元々どこかのチームのファンだったわけで、それがプレーするクラブと同じでないとしても、人々の思いに共感するところはある。

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 1人にできることは限られているけれども、それが大きな塊となった時には1人の力を超えたものを得られる。人間、自分だけのために頑張るのは限度があるのだろう。過去も含め、クラブをサポートしてきた人々の思いの後押しがあるから頑張れるところは確実にあるのだ。

 東京五輪がもし無観客で開催されるとしたら、それでも世界記録が続々と更新されたりするのだろうか。サッカーのホームチームの苦戦を見ると、どうもそうはならない気がしている。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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