“魂の漢”李漢宰がボールを取れなかったドリブラー 対戦して「衝撃」を受けた選手は?

2020年シーズン限りで現役引退をした李漢宰氏【写真:©FCMZ】
2020年シーズン限りで現役引退をした李漢宰氏【写真:©FCMZ】

【李漢宰インタビュー|Vol.3】若き日の家長昭博が繰り出すキレと技術に脱帽

 在日サッカー選手の中で最長となるプロ生活20年を駆け抜けたMF李漢宰は、2020年シーズン限りで現役引退を決断した。Jリーグ通算349試合に出場した“魂の漢”に、「Jリーグで対戦したなかで凄いと感じた選手」を訊いた。(取材・文=Football ZONE web編集部・小田智史)

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「常に挙げている選手がいます」

 迷わず名前が出たのは、川崎フロンターレの元日本代表MF家長昭博だ。李漢宰のほうが4歳年上で、プロ入りも3年早いが、サンフレッチェ広島で右サイドを務めていた時代、家長を抑えるのには手を焼いたという。

「家長選手が(最初に)ガンバ大阪に所属していた時代(2004~07年)、彼は左ウイングか中盤、僕はサイドでプレーしていました。当時は今以上にキレキレなドリブラーで、対戦するたびに、『今日こそは!』と意気込んで臨んでも、ボールをまったく取れなかった記憶があります。『なぜ日本代表に選ばれないのかな?』と常に思っていました。対戦したなかで一番衝撃を受けた選手ですね」

 李漢宰と言えば、1981年生まれの森﨑和幸・浩司の“森﨑兄弟”と駒野友一(現FC今治)、同じ82年生まれで1学年上の佐藤寿人(2005年から加入)らアテネ五輪世代(1981~84年生まれ)の実力者たちとサンフレッチェ広島で切磋琢磨し合った。9年間を過ごした当時の日々を、「僕は本当に恵まれていたと思います」と振り返る。

「カズ(和幸)さん、浩司さんの森﨑兄弟は抜群の戦術眼と技術を持っていて、いずれはこの2人を追い抜くんだという気持ちで日々のトレーニングに励んでいましたけど、追い抜くどころか追いつくこともできませんでした。改めて、素晴らしい選手だと思います。下の世代には(1986年生まれの)青山敏弘選手もいて、中盤に非常に能力の高い選手が揃っていました」

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