「準備が全くできない」危険なファウル… 見えないルールが生む“ラフプレー”の解釈の齟齬

警告対象である「ラフプレー」の反則は、「反スポーツ的行為」とは別

 ここで考えなければならないのは、「ラフプレー」とは何を指すのかということだ。通常、警告が与えられるファウルとして取り扱われているが、競技規則には似たような表現はあるものの、明確な名称の記載はない。そして今回、注意しなければならないのは、「ラフプレー」が他の反則とは異なる取り扱われ方をしているという点だ。

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 新ルールでは、今回のようにアドバンテージを適用した場合、流した反則が「決定的な機会の阻止(DOGSO)」ならば、退場だったものが「反スポーツ的行為」で警告になり、「大きなチャンスの妨害、または阻止(SPA)」であれば「反スポーツ的行為」で警告だったものがノーカードに緩和されるようになった。しかし、「ラフプレー」の場合はそれに関係なく、ファウルをした選手に警告が示されることになっているという。牧野氏によれば、そもそも「ラフプレー」の反則は「反スポーツ的行為」と別物なのだという。番組では詳細な説明こそなかったものの、「ラフプレー」は選手を危険に晒すプレーであり、警告する必要があるからこそ別で捉えられていることが見えてくる。

 番組では、この新ルールも踏まえてその後も議論が展開されたが、最終的には「ラフプレー」ではなく、「大きなチャンスの妨害、または阻止(SPA)」にアドバンテージを適用したとして、主審が示したノーカードのジャッジを尊重することとなった。しかし、「ラフプレー」の説明で不十分な部分もあったこと、議題となったファウルが危険とも取れるプレーであったことが、1人の視聴者として感じたところでもあった。

 今回のように明文化がされていないルールに関する事象では、より明確な説明が必要になるのではないか。ファウルの解釈に“幅”があることも踏まえ、今後はさらに理解が深まるような議論が進むことに期待したい。

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(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)



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