なぜアルゼンチンに勝てた? 元日本代表DFが実感した“メッシ依存”「暗黙のルールを感じた」
元日本代表DF栗原氏が大金星をあげたアルゼンチン戦を回想 「メッシは特別すぎて神格化されているのかも」
昨季限りで現役を引退した元日本代表DF栗原勇蔵氏が、「Football ZONE Web」のインタビューに応じ、日本代表の一員として臨んだ10年前のアルゼンチン代表戦を振り返っている。FWリオネル・メッシ(バルセロナ)を擁する南米の強豪国を相手に1-0の大金星を奪い、日本サッカー界にとっても歴史的勝利となったが、栗原氏はアルゼンチンを目の前にした際に実感した“問題点”を語っている。
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栗原氏は2002年のトップ昇格以降、18年間にわたって横浜F・マリノス一筋でプレーし、昨季限りで現役を引退。日本代表としても20試合に出場したが、そのなかで最も印象に残っているゲームの一つが、2010年10月8日に行われたキリンチャレンジカップの強豪アルゼンチン戦だろう。アルベルト・ザッケローニ監督の初陣となった試合で、栗原氏は先発に抜擢された。
メッシを筆頭に、FWカルロス・テベス(現ボカ・ジュニアーズ)やFWゴンサロ・イグアイン(現ユベントス)ら世界最高峰の攻撃陣を相手に、日本の守備陣は無失点に抑える大健闘を見せた。フル出場で勝利に貢献した栗原氏は、アルゼンチン戦を前にザッケローニ監督が日本の選手たちに送った指示を明かしている。
「外国人監督は一流のスター選手を特に尊重する傾向があるので、ザックさんもロッカールームで『メッシに気をつけろ』と誰もが分かっていることを強調していた(笑) メッシは序盤、右サイド寄りでプレーしていたけれど、ザックさんはボランチの遠藤(保仁)さんと長谷部(誠)の立ち位置をいつもと逆に入れ替えて、長谷部にメッシをマークさせる対策は行っていた。メッシは明らかにやりづらそうにしていて、途中から左に流れるようになった」
一方、栗原氏はワールドクラスの選手たちを前に、アルゼンチンが抱えている問題を感じ取ったという。「今もかもしれないけれど、当時もメッシに依存しているという雰囲気はあった。アルゼンチンの選手は、メッシ(のポジション)をその都度確認することで、攻撃をワンテンポ遅らせてしまっていた。最後にはメッシに回ってくるだろうという空気はあったので、そこさえ最後に仕事させなければというやり方はできた」と、日本が無失点で抑え込むことができたキーポイントを説明している。